新川帆立『元彼の遺言状』はお金ばかり追い求めるのは本当に欲しいものを見失っているからだとわかる物語

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お金ばかり追い求めていませんか?

私もお金ばかり追い求めていた時期がありましたが、

新川帆立さんの小説『元彼の遺言状』を読んで、必要以上にお金を追い求めるのは、本当に欲しいものを見失っているからだとわかりました。

それだけでなく、これまでにない設定で描かれたミステリーが楽しめたんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 何よりもお金が大好きな主人公の物語に興味がある人
  • 自分を殺した犯人にお金を譲るという設定の物語を読んでみたい人
  • お金を追い求めるのは欲しいものを見失っているからという理由を知りたい人
  • 新川帆立さんの小説が好きな人
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あらすじ:何よりもお金が大好きな主人公の物語

物語の主人公は弁護士の剣持麗子。

彼女は、彼氏の信夫から結婚して欲しいと指輪を渡されましたが、「これはどういうつもり?」と聞き返しました。

差し出された指輪がカルティエのソリテールリングだったので、こんな定番な指輪で私と結婚できると思っているの?と問い詰めたのです。

こうして信夫と別れた麗子でしたが、その翌日、働いていた山田川村・津々井法律事務所の人事面談で減給だと告げられます。

一人で働くなら今のままでもいいけれど、後輩ができてチームをまとめながら働くとなると、ギラギラした感じが怖いという人がいるからという理由でしたが、

麗子は納得できずに「辞めてやる」と言って事務所を飛び出しました。

こうして彼氏も仕事も失った麗子は、暇を持て余して、元彼の森川栄治にメールを送ったところ、彼は先日亡くなったという返信が来て…。

という物語が楽しめるミステリー小説です。

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感想①:自分を殺した犯人にお金を譲るという設定が面白い

先ほどあらすじで、森川栄治はすでに亡くなっていたと紹介しましたが、

彼の友人である篠田によると、栄治が残した遺言状には、「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」と書かれていました。

栄治は森川製薬の社長の息子だったので、遺産額は1080億円近くありました。

三分の一を遺留分で栄治の父母に取られたとしても、720億円残り、そこから相続税50%を差し引いても、300億円は残ります。

しかも、栄治の死因はインフルエンザで、その直前にインフルエンザにかかっていた篠田がうつした可能性があることを知った麗子は、

篠田の代理人として、300億円を獲得するために彼が犯人だと森川家の人たちに主張していくんですよね。

オインカン・ブレスウェイトさんの小説『マイ・シスター、シリアルキラー』では、妹の犯行を隠すために奮闘する主人公の物語が楽しめましたが、

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この小説では、麗子が大金を得るために篠田が犯人だと主張するという設定が面白く、一気に惹きつけられました。

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感想②:次々と気になる謎が提示される

先ほども紹介したように、栄治は自分を殺した犯人に全財産を譲るという遺言を残しましたが、

なぜ彼がそんな遺言を残したのかは誰にもわかりませんでした。

しかも、彼の遺言には、警察は当てにならないから、森川製薬の社長、副社長、専務の三人全員が犯人だと認めた人を遺言状の犯人ということにすると書かれており、

犯人が刑事罰を受けることは望んでいないので、機密性の高い会議室で役員三人と面談をして犯人を選出すると書かれていたんですよね。

それだけでなく、これまでお世話になった人たちにも、所有していた多くの土地を譲ると書かれていました。

これでは、相続手続きをするだけで膨大な時間が必要となり、親族にも多大な迷惑がかかります。

しかし、栄治はまわりを振り回すような人物ではなかったので、麗子は違和感を覚えました。

劉慈欣さんの小説『三体』でも、次々と気になる謎が提示される物語が楽しめましたが、

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人類は今後も生きる価値があると思いますか? 私はもちろん生きる価値があると思っていますが、劉慈欣さんの小説『三体』を読んで、生きる価値がないと考えている人たちの思考が少しわかりました。 それだけでなく、最先端の科学技術を駆使した...

この小説でも、先ほど紹介したような謎が次々と提示されるので、ページをめくる手が止まらなくなりました。

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感想③:お金を追い求めるのは本当に欲しいものを見失っているから

さて、この小説では、「お金ばかり追い求めるのは本当に欲しいものを見失っているから」をテーマに描かれているように思います。

ここまで紹介してきたように、麗子はお金ばかり追い求めていましたが、それは本当に欲しいものを見失っていたからでした。

そもそも、麗子が弁護士になったのは、お金のためではありませんでした。

とはいえ、なぜ弁護士になったのかを忘れていた麗子でしたが、

森川栄治の死因調査を進めていくなかで接した人たちのおかげで、自分が本当は何を求めていたのかを思い出すんですよね。

川村元気さんの小説『億男』でも、お金があっても幸せになれない人たちの姿が描かれていましたが、

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お金があれば幸せになれると思っていませんか? 私はそう考えていた時期もありましたが、 川村元気さんの小説『億男』を読んで、改めてお金があっても幸せになれるとは限らないことがわかりました。 お金がないと幸せにはなれませんが、...

この小説では、麗子の姿を通して、お金ばかり追い求めるのは、本当に欲しいものを見失っているからだとわかる物語が楽しめました。

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まとめ

今回は、新川帆立さんの小説『元彼の遺言状』のあらすじと感想を紹介してきました。

お金ばかり追い求めるのは、本当に欲しいものを見失っているからだとわかる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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