東野圭吾『眠りの森』はバレエダンサーのストイックさに心が痛むミステリー小説

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好きなことを仕事にしていますか?

私はどちらかと言えば好きなことを仕事にしていますが、

東野圭吾さんの小説『眠りの森』を読んで、バレーダンサーたちのストイックさに衝撃を受けました。

彼女たちは、収入やプライベートな時間がなくても、結婚や恋愛が出来なくても、バレエにすべてを捧げているんですよね。

私なら、どれだけ好きな仕事でも、彼女たちのように振る舞えません。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 加賀恭一郎シリーズが好きな人
  • 伏線が回収されていく爽快感を味わいたい人
  • 心にズシっと響く恋愛物語を読みたい人
  • 東野圭吾さんの小説が好きな人
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あらすじ:バレエ団で繰り広げられる殺人事件を描いた物語

物語は、高柳バレエ団に所属する斎藤葉瑠子が事務所に不法侵入してきた男性と鉢合わせになり、驚いて殴り殺してしまったところから始まります。

この事件を受けて、高柳バレエ団は葉瑠子の正当防衛を主張しますが、その男性が不法侵入した理由がどうしても見つかりませんでした。

金目当ての犯行とは思えず、高柳バレエ団とのつながりも見つからなかったからです。

ところが、その後の調べで、殺された男性が風間利之という名の画家で、2年前にニューヨークに滞在していたことがわかります。

さらに、同時期に風間が住んでいた場所の近くに、高柳バレエ団の一員が留学していたことがわかりました。

とはいえ、2年前の海外での出来事だったので、これ以上、捜査は進展しませんでしたが、そんなときに第二の殺人事件が起こります。

リハーサル中に演出家の梶田が殺されたのです。

状況からすると、犯人は高柳バレエ団に所属している誰かでした。

そこで、刑事になった加賀恭一郎が事件の謎を解き明かすべく高柳バレエ団に乗り込みますが…。

という物語が楽しめます。

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感想①:散りばめられた伏線とその回収がすごい

伏線とその回収がすごい物語といえば、私が大好きな伊坂幸太郎さんの小説に多いのですが、

たとえば、『ゴールデンスランバー』では、突然、犯罪者にされて逃げ惑う主人公がどのようなラストを迎えるのか気になってページをめくる手が止まらなくなります。

さらに、ラストに近づくにつれて、散りばめられた伏線が次々と回収されていくので、ハッピーエンドでもないのに顔がにやけてくるんですよね。

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一方、『眠りの森』では、『ゴールデンスランバー』と同様に至るところに散りばめられた伏線が次々と回収されていきますが、

なぜかどんよりとした気持ちになっていきました。

もちろん、伏線が回収される爽快感は味わえるのですが、それ以上に人間ドラマに比重が置かれているからかもしれません。

どちらにしても、ミステリーの醍醐味である伏線と回収の爽快感を味わえる物語ですが、

それだけでなく、人間ドラマも気になる物語なので、読み始めると止まらなくなりますよ。

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感想②:加賀恭一郎の恋の行方が気になる

事件を解決していく推理もので、主人公の恋の行方が気になる物語といえば、

私が仲間由紀恵さんのことを大好きになったドラマ『トリック』が思い浮かびます。

このドラマでは、色々な霊能力者のインチキを暴くという推理ものとして描かれている一方で、

主人公である売れないマジシャンの山田奈緒子と、日本科学技術大学の教授(シーズン1では助教授)・上田次郎との恋の行方が気になる物語としても描かれています。

『眠りの森』でも、加賀恭一郎とバレエダンサーの浅岡未諸が恋に落ちていく姿が描かれていますが、

『トリック』とは対照的に胸が締め付けられる恋物語として描かれているんですよね。

住野よるさんの小説『君の膵臓をたべたい』のように、痛くて悲しくて切ない恋愛模様が描かれています。

そのため、心にズシっと響く恋愛物語を読みたい方に、おすすめの小説です。

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感想③:バレエに全てを捧げるダンサーたちに衝撃を受ける

先ほどあらすじでも紹介したように、加賀恭一郎は刑事としてバレエダンサーたちと接するようになりましたが、

彼女たちの生活を目の当たりにして衝撃を受けました。

ダンサーたちは人生のすべてをバレエに捧げていたからです。

結婚や恋愛ができなくても、過剰なダイエットをすることになっても、

プライベートな時間がなくても、ダンサーとして舞台に立つために練習に励んでいたのです。

漫画『はじめの一歩』で描かれているボクサーたちと同じように、死に物狂いで減量に取り組み、

漫画『3月のライオン』で描かれているプロ棋士たちと同じように、血の滲むような努力を重ねて毎日を過ごしているんですよね。

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そんな彼女たちの姿をみた加賀恭一郎は、

「うらやましいな」

と口にしました。

他の何かを犠牲にしてまでやりたいと思えることがあるのは、羨ましいことなのかもしれません。

とはいえ、人生のすべてを注ぎ込むほどのめり込むのは、とても恐ろしいことだとわかる物語でもありました。

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まとめ

今回は、東野圭吾さんの小説『眠りの森』のあらすじと感想を紹介してきました。

すでに映画化もされている人気の物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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