東野圭吾『眠りの森』感想/好きなことを仕事にするのは本当に幸せなことなの?

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 好きなことを仕事にしていますか?

 私はどちらかと言えば好きなことを仕事にしていますが、東野圭吾さんの小説『眠りの森』を読んで、好きなことを仕事にするのは本当に幸せなことなのかな?と疑問をもつようになりました。

 収入やプライベートな時間がなくても、結婚や恋愛が出来なくても、バレエにすべてを捧げるダンサーたちの姿をみて、その代償の大きさに衝撃を受けたんですよね。




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 高柳バレエ団で繰り広げられる殺人事件

 では、あらすじから。

 物語は、高柳バレエ団に所属する斎藤葉瑠子が事務所に不法侵入してきた男性と鉢合わせになり、驚いて殺してしまったところから始まります。

 高柳バレエ団は葉瑠子の正当防衛を主張しますが、その男性が不法侵入した理由が見つかりませんでした。金目当ての犯行とは思えず、高柳バレエ団とのつながりも見つからなかったからです。

 しかし、その後の調べで、殺された男性が風間利之という名の画家で、2年前にニューヨークに滞在していたことがわかります。

 さらに、高柳バレエ団にもニューヨークに留学できる制度があり、当時、風間が住んでいた場所と留学先が近くであることが判明しました。

 とはいえ、海外であり、二年前の出来事でもあるため、捜査は進展せずにいましたが、そんなときに第二の殺人事件が起こります。リハーサル中に演出家の梶田が殺されたのです。

 状況からすると、犯人は高柳バレエ団に所属している誰かです。刑事になった加賀恭一郎が事件の謎を解き明かすべくバレエ団に乗り込みますが…。

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 バレエに全てを捧げるダンサーたちに衝撃を受ける物語

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、加賀恭一郎はバレエダンサーたちと接するようになって、彼女たちの生活に衝撃を受けました。

 彼女たちは人生のすべてをバレエに捧げていたからです。

 結婚や恋愛ができなくても、過剰なダイエットをすることになっても、プライベートな時間がなくても、ダンサーとして舞台に立つために練習に励みます。

 そんな彼女たちの姿をみて、加賀恭一郎は

「うらやましいな」

 と口にしました。他の何かを犠牲にしてまでやりたいと思えることは、そう簡単に見つからないからです。

 だからこそ、加賀はバレエダンサーの浅岡未緒に恋をしたのですが、彼女たちの生活は常にリスクと隣り合わせでした。

 バレエ以外のことをする余裕がないので、怪我をしてバレエが出来なくなったら「おしまい」です。

 実は殺人事件の背景には、そんなリスクに対する恐怖心が見え隠れしていました。

 つまり、この物語は…。

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 すべてを捧げた代償はあまりにも大きい

 好きなことにすべてを捧げた代償はあまりにも大きいことに気づける物語なんですよね。

 とはいえ、それでもバレエにすべてを捧げる彼女たちの姿を見ていると、リスクを恐れて行動しないよりも、好きなことにすべてを捧げて生きる方が幸せなのかも…と思えてきました。

 というわけで、東野圭吾さんの小説『眠りの森』は、バレエダンサーたちの情熱に突き動かされて、今すぐ何かに挑戦したくなる物語です。

 もちろん、ミステリーとしても、加賀恭一郎の恋の行方が気になる物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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