東野圭吾『禁断の魔術』感想/科学よりも大切にすべきものがある!?

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 科学を何よりも重要なものだと思っていませんか?

 私はエンジニアとして仕事をしているので、科学的な根拠がないことをあまり信じていませんが…。

 言い換えると、科学的な根拠が何よりも重要だと考えていましたが、東野圭吾さんの小説『禁断の魔術』を読んで、科学よりも大切にすべきものがあることに気づきました。

 言われてみれば当たり前のことなのですが、科学技術の世界にどっぷり浸かっていると忘れてしまいがちなんですよね。




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 関係なさそうに思える複数の事件がひとつに繋がっていく!?

 では、あらすじから。

 光原町で最先端の科学技術を扱う研究所を集結させる計画が立ち上がります。その名もスーパー・テクノポリス。

 元文部科学大臣の大賀代議士がこの計画を推進していましたが、一部の地元住民からは批判の声が上がっていました。

 フリーライターである長岡も反対運動をしていたひとり。しかし、ある日。彼は自宅で死体となって発見されます。何者かによって殺害されたのです。

 彼が残した手がかりは、壁に穴が空く動画と「若さって怖いな」というつぶやきでした。

 一方、別の場所では、突然倉庫が爆発したり、バイクが炎上したり、屋形船が燃え上がるといった事件が多発します。

 また、長岡が殺害される以前に、政治担当の新聞記者・古芝秋穂がホテルのスイートルームで亡くなっていました。卵管破裂による大量出血でショック死していたのです。

 その後、しばらくしてから秋穂の弟であり、湯川の愛弟子である古芝伸吾が行方をくらませました。

 一見、関係なさそうに思えるこれらの事件が、ひとつに繋がっていく!?

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 科学よりも大切にすべきものがある

 これらの事件がどのように繋がっていくのかは実際に本書を読んでもらうとして、今回の湯川准教授は捜査に非協力的でした。事件に愛弟子が関わっていたからです。

 といっても、愛弟子である古芝伸吾と湯川は物理サークルで短期間関わっただけの関係でした。古芝が湯川が卒業した高校の後輩というそれだけのつながりです。

 しかし、湯川は古芝の科学にかける情熱に促され、彼と真剣に向き合うようになるんですよね。

 そんな古芝が大学に進学して湯川と久しぶりに再会したとき、こんな質問をします。

科学を発展させた最大の原動力は人の死、すなわち戦争ではなかったのかと。

 それに対して湯川は、

もちろん科学技術には常にそういう側面がある。良いことだけに使われるわけではない。要は扱う人間の心次第。邪悪な人間の手にかかれば禁断の魔術となる。科学者は常にそのことを忘れてはならない。

 と答えます。湯川は科学よりも人間の心の方が大切だと愛弟子に教えようとしたんですよね。

 しかし、湯川の気持ちを無視するかのように、古芝は事件に関わっていきました。そこで湯川は捨て身の行動に出ます。その行動とは…。

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 これで湯川准教授ともお別れ!?

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、東野圭吾さんの小説『禁断の魔術』は、科学よりも大切にすべきものがあることに気づかせてくれる物語です。

 それだけでなく、この事件が解決した後、湯川はアメリカへと旅立ったので、これでガリレオシリーズが見納めになるかもしれない物語としても、

 ミステリーとしても、湯川の愛弟子を思う気持ちに胸が熱くなる物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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