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 仕事でも、お金でも、恋愛でも、「運のいい人」っていますよね。それほど頑張っているわけでもないのに、結果を出しているわけでもないのに、出世したり、お金持ちだったり、異性にモテたり…と、遠くから眺めているだけで羨ましくなる人たちがいます。

 反対に、とても残念なことですが、「運が悪い人」も確実に存在します。どれだけ頑張っても報われない、誰からも応援してもらえない、悲しい人たちがいます。

 どちらかを選べるのであれば、間違いなく「運のいい人」を選ぶと思いますが、そう簡単に選べるほど人生は甘くありません。手相やおみくじ、タロット占いなどを信じて行動してみても、実際に運が良くなることなんて「まれ」です。

 では、「運が悪い人たち」は、その運の悪さを諦めて生きていくしかないのでしょうか。

 「運がいい人」とは、「生き残る確率が高い人」のこと

 脳科学者(医学博士)であり、作家でもある中野信子さんは、「運がいい人」とは、「生き残る確率が高い人」のことだと言います。

 チャールズ・ダーウィンが提唱した「進化論」をご存知でしょうか。簡単に説明すると、単純な生物が次第に複雑な生物へと進化していくという説であり、「適者生存」――環境に最も適した生物が生き残るという考えに大きな影響を受けています。

 たとえば、キリンの首が長くなったのは、「遠くまで見渡せるようにするため」や「高い木の葉っぱが食べられるようにするため」であり、つまりは、環境に適応して長くなったと考えます。

 しかし、「適者生存」の考えでは説明できない事実があります。マンボウの生態系もそのひとつ。

 マンボウは、一度に約2億7千万個の卵を産みますが、親になるまで生き残れるのは、たったの1~2匹。その他は、それまでに亡くなってしまいます。

 では、この事実を「適者生存」で説明しようとすると、どうなるのでしょうか。「生き残った1匹は、他の2億6999万9999個の卵より環境に適していた」となりますが…、まったく論理的ではありませんよね。

 そこで登場したのが「運者生存」という考えです。キリンの首が長いのは、運よく生き残ったキリンの首がたまたま長かっただけであり、生き残ったマンボウもたまたま運が良かっただけ、そう考えます。この考えのほうが、よほど論理的ですよね。

 実は、この「運者生存」という考えこそが、私たちがよく口にする「運」のことなのです。「人類の進化」という大きな視点で捉えれば、先ほど説明したキリンやマンボウの例が該当しますし、「個人」という小さな視点で捉えても――「仕事運」や「金運」、「恋愛運」といった「運」は、すべて生き残るために必要なものですよね。

 つまり、「運がいい人」というのは、「生き残る確率が高い人」のことなのです。では、どうすれば「生き残る確率」を高めることができるのでしょうか。

 「運が悪い人」が運を良くする3つの方法

 それは、次の3つです。

  1. 「自分は運がいいんだ」と思い込む
  2. 誰よりも「自分を大切に扱う」
  3. 自分だけでなく「他人の幸せ」を願う

 それぞれ、簡単に説明していきましょう。

1. 「自分は運がいいんだ」と思い込む

 実は、「運がいい人」も、「運が悪い人」も、遭遇している出来事に大差はありません。起こった出来事に対する捉え方や考え方、対処法が違っているだけです。

 たとえば、大事な仕事を任されたのに、失敗してしまったとき。このとき、運が悪い人は、「こんなに努力したのに」「努力が無駄になった」「誰も私のことを認めてくれない」と過去ばかりを振り返ります。

 しかし、運がいい人は違います。「失敗したのは準備不足が原因かも」「自分に至らないところがあったのかな」「次のチャンスに生かそう」と未来につながる考え方をします。

 こうして、運が悪い人たちは、ネガティブ思考を積み重ねて、脳内にあるネガティブ神経ネットワークを強化していきます。その結果、どんな出来事が起こっても、ネガティブに捉えやすくなるので、どんどん運が悪くなってしまうのです。

 反対に、運がいい人たちは、ポジティブな神経ネットワークをどんどん強化していくので、結果として、次のような運が良くなる行動を取りやすくなります。

  • 複数の選択肢があった場合、面白そうかどうかで判断できる
  • 失敗してもゲームを降りない

 「正しい」と思うことを、義務感で渋々やったところで…、つまらないですよね。面白いことを選んだほうが幸せになれると思いませんか。

 イギリスのロンドンで行われた調査結果でも、幸福を主体的に感じている人は、感じていない人に比べて死亡リスクが35%も低かったそうです。まさに、面白いかどうかで選択することは、「生き残る確率」を高めます。

 また、失敗しても「ゲームを降りない」という選択ができるのも、そのゲームで自分は生き残れると強く信じているからです。

 ハリー・ポッターの作者であるJ・K・ローリングさんは、幼い頃から文章を書くことが大好きだったそうですが、なかなか集中して小説を書ける環境に身をおけませんでした。結婚生活に恵まれず、子どもを抱えて離婚。生活苦になり、うつ病も患います。

 しかし、それでも小説を書くことを諦めなかった彼女は、うつ病を完治させ、生活保護を受けながら『ハリー・ポッターと賢者の石』を書き上げました。その後の彼女の活躍は、みなさんもよくご存知の通りです。

 このように、「運のいい人たち」は、「自分は運がいいんだ」と思い込むことで、結果として、運を引き寄せています。ぜひ、どんな出来事が起こっても、「運がいい」と思い込んで行動するようにしていきましょう。

2. 誰よりも「自分を大切に扱う」

 「割れ窓理論」をご存知でしょうか。軽微な犯罪がやがて凶悪な犯罪を生み出すという心理学の理論で、人はある特定の秩序が乱れると、それに同調してしまう傾向があるというものです。

 たとえば、「ピカピカに磨かれた車」と「汚れて叩かれた跡がある車」があった場合、どちらの車を大切に扱いますか。もちろん、「ピカピカに磨かれた車」ですよね。これを自分に置き換えると…、どうすれば他人から大切に扱われるかが一目瞭然です。

 より具体的にいえば、次の二つを意識して行動することが「自分を大切に扱う」ことになります。

  • 自分を変えるのではなく生かす
  • 常識よりも自分を上におく

 私たちの脳には、きらめくような個性があります。それにも関わらず、憧れの誰かを目指したり、マネしたりすると、自分の脳が求めている幸せとは違う幸せを求めることになるので…、結果として、幸せになれない確率が高まります。

 だからこそ、自分を変える努力をするのはやめ、自分を生かす方法を考える必要があります。「同じ失敗を繰り返してしまう」という個性を持っているのであれば、「何度怒られても挑戦できる自分であり続ける」――という風に、自分の個性を生かす方法を考えるのです。

 また、常識よりも自分の考えを優先することも大切です。あるブラック企業の社長は、「まじめで、人を疑うことを知らない、人の話を素直に聞く、責任感が強い人」を積極的に採用するといいます。なぜなら、使い勝手がいいからです。

 このように、自分を大切に扱わなければ、他人からも大切に扱ってもらえません。むしろ、他人にいいように利用されてしまいます。

 私たちは、一人では生きていけません。生き残る確率を高めるためには、他人からも大切にしてもらえる自分である必要があります。だからこそ、誰よりも自分を大切にし、他人からも大切に扱ってもらえるようにしていきましょう。

3. 自分だけでなく「他人の幸せ」を願う

 同じ目標を立てても、その目標を実現できる人と、実現できない人がいます。この違いはどこにあるのでしょうか。結論からいえば、「他人の幸せ」を願えているかどうかです。

 私たちの脳は、他人の幸せを願うと、ベータエンドルフィンやドーパミン、オキシトシンといった脳内快楽物質(脳内で機能する神経物質のうち、多幸感や快楽をもたらす物質)を分泌します。そのため、目標を実現するための行動を取りやすくなります。

 反対に、他人を不幸にするような自分勝手な願いをしたときには、ストレス物質であるコルチゾールが分泌され、行動を起こしにくくなります。

 そのため、本気で運がいい人になりたいのであれば、自分の幸せだけでなく、他人の幸せを願っていく必要があります。具体的には:

  • 「一戸建てが欲しい」⇒「子どもたちが伸び伸び暮らせるように、一戸建てが欲しい」
  • 「素敵な人と巡りあいたい」⇒「両親も喜ぶような、素敵な人と巡りあいたい」
  • 「営業成績が伸びますように」⇒「家族旅行を実現させるために、営業成績が伸びますように」

 そうすれば、自分の願いが叶うだけでなく、まわりにいる人たちまで幸せにできるでしょう。

 誰でも行動を変えれば「運がいい人」になれる

 今回は、運とは何か、そして、どうすれば運がよくなれるのかについて紹介してきました。具体的には、自分には運があると思い込み、誰よりも自分を大切にし、他人の幸せを本気で願っていく――そうすれば、「生き残る確率を高める」ことができ、「運を良くする」ことができます。

 もちろん、手相やおみくじ、タロット占いなどを信じて、「自分には運がある」と思い込むこともひとつの方法でしょう。しかし、どのような方法をとっても、最終的には、自らの考え方や行動を変え、運を引き寄せていくしかありません。

 もし、「運が悪い」と嘆いているようなら、今回紹介した方法を参考に、自分の生き方、考え方を見直してみてはいかがでしょうか。このエントリをキッカケにみなさんの運が良くなることを願っています。

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