塩田武士『騙し絵の牙』は情熱と信念、そして野望をもつ主人公に心動かされる物語

おすすめ小説

情熱と信念、そして野望を持って生きていますか?

私はそれらを持って毎日を過ごしているつもりですが、

塩田武士さんの小説『騙し絵の牙』を読んで、主人公の執念に衝撃を受けました。

大泉洋さんをあて書きした主人公・速水輝也のように情熱と信念、そして野望をもって仕事をしていきたいと思える物語だったんですよね。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 出版業界を取り巻く厳しい現状がわかる物語に興味がある人
  • 情熱と信念、そして野望をもつ主人公に心動かされる物語を読んでみたい人
  • ラストに驚きが味わえる物語が好きな人
  • 塩田武士さんの小説が好きな人
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あらすじ:雑誌の編集長として奮闘する主人公の物語

物語の主人公は、大手出版社である薫風社に勤める速水輝也。

彼は『トリニティ』という雑誌の編集長をしていましたが、上司である相沢徳郎から赤字続きの現状が続くともって半年だと言い渡されました。

速水はどうしても小説に関わりたいという思いで、警察署、地方裁判所を経て、現在の薫風社に転職してきたので、

何があってもトリニティを存続させようと情熱と信念をもって仕事に取り組んできました。

ところが、出版不況が続いている現状を打開する目処が立ちません。本や雑誌が売れにくい環境ばかりが目につきます。

それでも速水は人生をかけて雑誌を存続させようとしますが…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:出版業界を取り巻く厳しい現状がわかる

あらすじで出版不況が続いていると書きましたが、それは新刊が出版されても、すぐに古本屋に並ぶ時代だからです。

もちろん、どれだけ古本が売れても出版社は儲かりません。

また、図書館の存在も出版不況の大きな原因になっていました。

さらに、最近では、メルカリなど個人での売買も活発です。

一方で、ネットやスマホの定着で、無料もしくは低価格で時間が潰せる遊びが溢れています。

このような背景もあって、出版社と作家は追い詰められているんですよね。

村山早紀さんの小説『星をつなぐ手』でも、出版業界の苦しい現状が描かれていましたが、

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 本屋さんで本を買っていますか?  私はネットで買ったり、図書館で借りたりすることが多いのですが、村山早紀さんの小説『星をつなぐ手』を読んで、これからは出来るだけ本屋さんで買おうと思いました。  一人でも多くの人が本屋さ...

この物語を読んで、できるだけ本や雑誌を買うなどして、少しでも出版業会に貢献したくなりました。

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感想②:情熱と信念、そして野望をもつ主人公に心動かされる

そんな苦しい現状を打開するために、速水は必死になって仕事に向き合いますが、

これまでも家庭を顧みずに仕事に打ち込んできたので、妻との関係は冷え切っていました。

そのため、とうとう妻から離婚を言い渡されます。

速水は、小学6年生の娘のためにも現状を維持しようと提案しますが、

実は娘から離婚した方が良いと勧められたと言われるんですよね。

速水は泣き崩れそうになるのを何とか堪えましたが、ショックは隠しきれませんでした。

それでも速水は、雑誌を存続させるために奮闘していきます。

これまでも、部下の不始末の尻拭いをし、大物作家には頭を下げ続け、テレビマンには鼻であしらわれても雑誌を存続させるために必死で行動してきました。

大好きな娘と離れることになった今も、そうした行動を続けます。

これほどまでに速水が雑誌を存続させようとしていたのは、ある理由があったからでした。

その理由とは…。

秋吉理香子さんの小説『ジゼル』では、バレエにすべてを捧げる人たちの物語が描かれていましたが、

秋吉理香子『ジゼル』感想/バレエの世界は嫉妬と愛憎が渦巻いている!?
仕事で、嫉妬したり、愛情を注いだり、憎しんだりしていますか? 私はどちらかと言えば感情を大きく動かしながら仕事と向き合っていますが、 秋吉理香子さんの小説『ジゼル』を読んでバレエダンサーたちの情熱に衝撃を受けました。 この...

この小説でも、速水の情熱と信念、そして野望に心動かされる物語が楽しめました。

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感想②:ラストは驚きが味わえる

さて、この小説ではラストに想像を上回る驚きが味わえます。

ネタバレになるので詳しくは書けませんが、

大泉洋さんをあて書きした物語だけあって、速水が大泉洋さんその人に思える物語が描かれていきますが、

ラストはすべてがひっくり返るほどの驚きが味わえるんですよね。

宇佐美まことさんの小説『羊は安らかに草を食み』でも、最後に驚きが楽しめましたが、

宇佐美まこと『羊は安らかに草を食み』は優しさだけで生き延びられるほど人生は甘くないことがわかる物語
人に優しくしていますか? 私はできるだけ優しく接しているつもりですが、 宇佐美まことさんの小説『羊は安らかに草を食み』を読んで、優しさだけで生き延びられるほど人生は甘くないことがわかりました。 それだけでなく、最後に衝撃を...

この小説でも、帯に「最後は大泉洋に騙される」と書かれていたとおり、驚きが味わえました。

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まとめ

今回は、塩田武士さんの小説『騙し絵の牙』のあらすじと感想を紹介してきました。

情熱と信念、そして野望を持って行動する主人公の姿に心動かされる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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