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 この世界には3種類の人間が存在する。それは、「いてはいけない人」、「いてもいなくてもいい人」、そして「いなくてはならない人」だ。

 できることなら、「いなくてはならない人」「必要とされる人」になりたい――と、誰もがそう思うだろうが、私たちは得てして「いてもいなくてもいい人」になってしまう。リスクを怖れて新しいことに挑戦しないからだ。そして、挑戦しないだけでなく、評論家のように他人にあれこれ口出しするようになれば、「いてはいけない人」になってしまう。

 実際、こんなことをしていないだろうか。天井の電球が切れたとき、それを交換しようとせずに下から眺めて「あーだこーだ」と騒いでいることが。

 もっと具体的にいえば、新しいプロジェクトを始めるとき、失敗を怖れてはじめの一歩を踏みたがらず、前例ばかりに縛られて良い知恵が出せない。そればかりか、何よりも責任を取りたくない。そのくせ会議だけは何回も何十回も開き、分厚い企画書(仕様書)を作りたがる。――こんなことをしていては「いてはいけない人」と思われても仕方がないではないか。

 本書は、過疎高齢化により18年間で人口が半分に落ち込んだ「限界集落」を、年間予算たったの60万円で立ち直らせたスーパー公務員・高野誠鮮氏の成功物語である。高野氏は、限界集落でつくったお米をローマ法王に献上することでブランド化に成功するなど、数々の実績を作っていった。そのなかで、「いてはいけない人」たちを、次々と「必要とされる人」たちへと変えていった。

 では、どうやって変えていったのか。その方法は次の三つ。

  1. まずは徹底的に情報を伝える
  2. 1%でも可能性があるのなら、とにかくやってみる
  3. 失敗しても責任を追及しない

 私たちは実際に行動を起こすまでに「知→情→意」のステップを踏むといわれている。「知」とは知恵(=情報)のこと。まず耳や目から情報が入って「情」(=心)が動く。そして、「意」(=行動)につながっていく。そのため、「いてはいけない人」を「必要とされる人」に変えていくには、まずは徹底的に情報を伝えることが大切になる。

 企業が自分たちの商品を売るために、朝から晩までCMを流しているのもそのためだ。くりかえし同じ情報を与えることで、本当に心が動く人が出てくる。あのチョコを食べてみたい、あのビールを飲んでみたい――と。すると、本当に買う人が出てくるというわけだ。

 だから、高野氏は、やるべきことを村人たちに徹底的に伝えていった。「会議はやらない。企画書もつくらない。私たちがやるべきことは行動だ」「このまま手をこまねいて何もしなければ村は『自然消滅』してしまう。だから行動する必要があるのだ」「限界集落にはマイナス面だけでなくプラス面もある。そのプラス面を生かしていこう」――というように。

 とはいえ、口先だけでは誰もついてこない。そこで、高野氏は実際に行動を起こしていく。たとえば、「UFOで町おこしをしよう」と決めれば、世界を牛耳る大物政治家たち――レーガン大統領やサッチャー首相、ゴルバチョフ書記長宛に直筆の手紙を送る。すると、ゴルバチョフ書記長本人ではなかったが、ロシア大使館から手紙が返ってきたそうだ。

 あなたなら手紙を送ることができただろうか。やりもしないうちから、絶対に無理だと思い込んでいないだろうか。もし、そうだとしたら考え方を変えたほうがいい。たとえ1%でも可能性があるのなら、やってみなければ結果はわからないからだ。

 もちろん、失敗することもあるだろう。そんなときは、責任追及をしないこと。犯人探しをしたり、悪いのはあいつだと責め始めると、一歩も前へ進めなくなってしまうからだ。その代わりに、「どうすればその失敗を打開できるのか」、「マイナスをプラスに変えられるのか」に目を向けていこう。そうすれば、失敗を克服できるだけでなく、次々と新たな挑戦ができるようになるだろう。

 こうして高野氏は、「いてはいけない人」たちを次々と「必要とされる人」たちへと変えていった。もちろん、これは私たちでもできる。「徹底的に情報収集し、1%でも可能性があるのならとにかく挑戦する。たとえ失敗したとしても、すぐにリカバリー策を考える」ということを繰り返していけばいい。そうすれば、間違いなく「必要とされる人」になれるだろう。

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