伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』は厳しい現実に立ち向かうには哲学とユーモアが必要だと思える物語

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 哲学とユーモアを持って生きていますか?

 私は自分なりの哲学を持って生きていますが、もっと深めていきたいと思って読書に励んでいます。ユーモアはお笑い好きなので少しは身についていると思うのですが…。

 伊坂幸太郎さんの小説『アヒルと鴨のコインロッカー』は、厳しい現実に立つ向かうには哲学とユーモアが必要だと思える物語です。

 ツライ物語が描かれていますが、登場人物たちの前向きな生き方に励まされるんですよね。




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 ペット殺しに追いかけられる女性の物語

 では、あらすじから。

 大学進学を機にアパートに引っ越してきた椎名は、隣の住人から「一緒に本屋を襲わないか?」と誘われます。

 誘ってきたのは河崎という名の青年で、彼は隣の隣に住む住人のために本屋を襲おうと言うのですが…。

 実は彼が本屋を襲うとしたのは、ツライ過去があったからでした。その過去とは、ペット殺しに関わるものでした。

 ペットショプで働く琴美は、ペット殺しの若者たちと偶然出会い、「あんたたち、気持ち悪い」と感情に任せて大声で叫んだことがキッカケで彼らに追いかけられるようになります。

 また、このとき琴美がパスケースを落としたので、名前や住所、電話番号が彼らにバレてしまいました。

 ところが、琴美はどこか他人事のように思っているんですよね。ツライ未来が訪れるなんて想像もしていません。

 しかし…。

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 厳しい現実に立ち向かうには哲学とユーモアが必要

 琴美の彼氏であるブータン人のドルジは違いました。哲学を持たない日本人を何をしでかすかわからない人種として警戒していたのです。

 だからこそ、琴美が襲われそうになったときも、素早く対処できたのですが、ドルジはブータン人らしく、宗教を自分の哲学として心に刻んで生きていました。

 たとえば、

「善いことも悪いことも、やったことは、全部自分に戻ってくるんだ。今は違っても、生まれ変わった後で、しっぺ返しがくる」

 と信じて生きていたのです。だからこそ、ドルジは悪事を働かずに生きてこれたわけですが…。そんな彼も日本人に学ぶべきところがありました。それがユーモアです。

 そのユーモアがどんなものなのか、よくわかるのが琴美のこの言葉です。

「とにかく面倒だからさ、神様を閉じ込めて、全部なかったことにしてもらえればいいって。そうすれば、ばれない」

 なんだか適当な言葉ですが、このようなユーモアあふれる言葉が、ツライ現実に直面しても、前を向いて生きていく力になるんですよね。

 しかし、彼らが直面している現実はそれほど甘くはありませんでした。

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 彼らはツライ現実に立ち向かえるのか?

 琴美は相変わらずペット殺しから追いかけられ、河崎は多くの女性と関係をもったことで恐ろしい病気にかかります。

 ドルジも悲しい過去を受け入れられずに日々を過ごしていました。そんな彼らの物語の結末は…。

 実際に本書を読んでもらうとして、伊坂幸太郎さんの小説『アヒルと鴨のコインロッカー』は哲学とユーモアがあればツライ現実も乗り越えていけるかもと思える物語です。

 もちろん、伊坂幸太郎さんらしく最後には驚きが待っているので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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