伊坂幸太郎『砂漠』は自分を信じてもう一度頑張ってみようと思える物語

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学生時代は勉強やクラブ活動など、何かに必死になって取り組んできましたか?

私は多くの大学生と同じように、バカ騒ぎをして過ごしてきたので、何かに必死に取り組んできたとは口が裂けても言えませんが、そんな私だからこそ、伊坂幸太郎さんの小説『砂漠』を読んで懐かしい気持ちになりました。

とても恵まれた環境にいたのに、多くの時間を友人たちとダラダラと過ごしていたあの頃が、懐かしい記憶と共によみがえってきたんですよね。

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上から目線で他人を見下す主人公

では、あらすじから。

物語の主人公は、大学に入学したばかりの北村。

彼はクラスの飲み会に参加しましたが、バカ騒ぎをする同級生たちを冷めた目で眺めていました。

そんな北村に声をかけてきたのが、バカ騒ぎの中心にいた鳥居です。

鳥居は北村に「みんな必死だな、馬鹿らしいなとか、思っちゃてるんだろ」と言い出しました。

それだけでなく、鳥居は北村のことを「鳥瞰型」だと分類するんですよね。鳥のように上から全体を俯瞰し、まわりを見下している人間だと指摘します。

北村は鳥居の指摘にムッとしますが、そんな想いを吹き飛ばす同級生が現れました。彼の名前は西島と言い、突然、こんなことを言い出します。

「あのね、俺たちがその気になればね」「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」

多くの同級生は西島のことを空気が読めない人間だとバカにしましたが、北村は違いました。鳥瞰型になっていた自分を恥じるんですよね。

なぜなら西島は、自己紹介でさえ必死になっていたからです。

これがキッカケで北村は、鳥居と西島、そして絶世の美女である東堂と、超能力が使える女性・南と一緒に行動するようになります。

そんな彼らが多くの時間を費やしたのが…。

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多くの時間をダラダラと過ごす五人組

麻雀でした。鳥居以外の四人の苗字に「東西南北」の文字が含まれていたので、鳥居が彼らを集めて麻雀をしていたのです。

そんな彼らも、大学生になったので恋愛に憧れを抱いて行動するようになります。特に、鳥居は多くの合コンに参加するようになりました。

しかし、そのせいで鳥居は、恐ろしい事件に巻き込まれるんですよね。

一方の西島は、女性にモテない容姿をしており、空気が読めない性格でしたが、「砂漠に雪を降らすことができる」と宣言したように、どんなことでも必死になって挑戦していました。

たとえば、西島は、とてつもなくボーリングが下手でしたが、笑われても恥じることなく、堂々と振る舞います。

それだけでなく、次の日も、またその次の日も、本を片手にボーリング場で練習しました。なぜなら、西島は自分を信じていたからです。

そんな西島の姿を見ていると…。

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学生の頃のように自分を信じてみようと思える物語

「自分は何にでもなれる」と信じて過ごしてきた学生時代が懐かしい記憶と共によみがえってきて、もう一度自分を信じて挑戦してみようかなって思えるんですよね。

さて、物語としては、彼ら5人の恋愛模様だけでなく、悲劇を乗り越えて成長していく姿も描かれます。

そんな彼らの姿をみていると、学生時代という「オアシス」でダラダラ過ごしながらも成長した記憶があるからこそ、「砂漠」である厳しい社会に出てからも、次のオアシスを目指して行動できるのかな?と思えてきました。

とにかく、伊坂幸太郎さんの小説『砂漠』は、学生の頃のように自分を信じてもう一度頑張ってみようと思える物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

おすすめ度:4.0

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