伊坂幸太郎『死神の精度』は人間らしさとは生きる意味を追い求めることだと思える物語

おすすめ小説

自分の行動に意味づけをしていませんか?

「なぜこの仕事をしているの?」「なぜこの本を読んでいるの?」「なぜブログを書いているの?」…などなど。

私はどんなことでも「なぜ?」を考えないと気がすまない性格なので意味づけをしていますが、

伊坂幸太郎さんの小説『死神の精度』を読んで、意味づけをすることが人間らしさなのかな?と思うようになりました。

「生きている理由なんてもとからないんだ」と決めつける死神と、生きる意味を追い求める人間との対比で強くそう思えるようになったんですよね。

おすすめ度:4.5

スポンサーリンク

こんな人におすすめ

  • 音楽好きな死神が出てくる物語が好きな人
  • 驚きとユーモア溢れる物語が好きな人
  • 人間らしさとは何か?を考えてみたい人
  • 伊坂幸太郎さんの小説が好きな人
スポンサーリンク

あらすじ:生きている理由なんてないと考える死神が主人公の物語

物語の主人公は「千葉」と名乗る死神。

彼ら死神は人間界に派遣され、対象者と接触し、8日後に死を与えるべきかどうかを見極める仕事をしていました。

ところが、死神は「人間が生きている理由なんてもとからないんだ」と考えているので、ほとんどの対象者に「死」を与えます。

今回、千葉が担当することになったのは、電機メーカーで苦情処理係をしている藤木一恵という女性でした。

彼女は人生そのものに疲れていたようで、年齢よりも老けて見え、どこか冴えない印象です。

千葉はそんな彼女に魅力的な男性の姿で接触します。彼女のスーツを汚してしまったお詫びに…と言ってロシア料理店に誘うんですよね。

そこで彼女は、自分を指名して電話をかけてくるクレーマーに悩まされていることを打ち明けます。

さらにその後、彼女はそのクレーマーの男性が自分を指名する理由が知りたいと言い出し、クレーマーに会いに行くことにしました。

彼女の後をつけた千葉がそこで目にしたものは…。

スポンサーリンク

誰もが生きる意味を追い求めている

この続きは実際に本書を読んでもらうとして、千葉は多くの人間に「死」を与えるために人間界に派遣されてきましたが、

彼が死を与えようとしている人たちはさまざまなことに意味を求めていました。

先ほど紹介した藤木一恵が自分を指名して苦情をいうクレーマーに会いに行ったのは、自分に何らかの価値があるのでは?と期待していたからです。

ヤクザ者で男気溢れる藤田の舎弟は、正義は必ず勝つと信じて「組」を裏切ってまで藤田を応援し、

男前の萩原は、自分の性格を好きになってくれる女性がいると信じて、外見の良さを隠して彼女を作ろうとします。

幼い頃のトラウマを引きずって人殺しをした森岡は、犯した罪の正当性…存在するはずのない意味を探し求めるんですよね。

このように、私たち人間は恋愛から殺人に至るさまざまなことに意味を求めていますが、その究極が「生きる意味」です。

つまり、この物語は、物事の意味を考えようとしない死神と、生きる意味を追い求める人間との対比で、

人間らしさとは生きる意味を追い求めることなのでは?

と思える構成になっているんですよね。

それだけでなく…。

人は誰でもいつか死ぬ

「人は誰でもいつか死ぬ」という当たり前の事実に気づかせてくれる物語でもあります。

それに気づけば、今を一生懸命に生きようと思えますよね。

というわけで、伊坂幸太郎さんの小説『死神の精度』は、人間らしさとは生きる意味を追い求め、今を一生懸命に生きることだと思える物語です。

サスペンスとしても面白い物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

あわせて読みたい

伊坂幸太郎さん全小説の発売順とおすすめランキングを紹介
 伊坂幸太郎さんの小説は複数の異なる物語が繋がっていき、最後に驚きが用意されているものが多数あります。  それだけでなく、登場人物のセリフがユーモアに溢れ、知的なので心に残るんですよね。   私はこういった物語が大好きな...
伊坂幸太郎さんのシリーズ作品とおすすめランキングを紹介
伊坂幸太郎さんの小説は数多く出版されていますが、出版されている冊数のわりにシリーズものがそれほど多くありません。 このエントリを書いている時点では40冊近く出版されていますが、『陽気なギャングシリーズ』『殺し屋シリーズ』『死神シリーズ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました