太田忠司『和菓子迷宮をぐるぐると』は自分の人生は自分で決めるしかないことがわかる物語

おすすめ小説

自分の人生に責任を持っていますか?

私は自分の人生に責任を持っているつもりですが、

太田忠司さんの小説『和菓子迷宮をぐるぐると』を読んで、改めて自分の人生は自分で決めるしかないことに気づきました。

物理工学科から転身して和菓子職人を目指す主人公の姿に励まされる物語だったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 物理工学科から転身して和菓子職人を目指す主人公の物語に興味がある人
  • 理屈っぽいけれど嫌味のない主人公の物語を読んでみたい人
  • 自分の人生は自分で決めるしかない理由を知りたい人
  • 太田忠司さんの小説が好きな人
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あらすじ:物理工学科から転身して和菓子職人を目指す主人公の物語

物語の主人公は、物理工学科の学生で、大学院に進学する予定だった河合涼太。

彼は幼い頃に母に作ってもらったぼた餅が大好きでしたが、6歳になったときに母が出て行ってから、餡子を、和菓子を食べなくなりました。

スーパーのぼた餅を食べて不味いと思ったからです。

ところが、それから17年後。一緒に暮らしていた伯母の千春と一緒に出かけたデパートの催し物で、「和菓子 はなふさ」に立ち寄ったことで人生が一変します。

展示されていた和菓子の美しさに魅了され、またあまりの美味しさに、和菓子を作りたいと思うようになったからです。

しかし、「和菓子 はなふさ」の主人である華房伊織から、製菓学校を卒業してからでないと教えないと言われたので…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:理屈っぽいけれど嫌味のない主人公が魅力的

あらすじでも紹介したように、主人公の河合涼太は物理工学科に通っていたので論理的な考えをしていました。

とはいえ、物理工学科のなかでも、特に変わり者だった涼太は、理屈っぽい話し方をします。

たとえば、伯母の千春に「僕って飽きっぽいかな?」「僕の大学生活をよく知っている人に言われた」と言いました。

この話を聞いた千春が、「それって友達のこと?」と聞き返すと、「友達…どうだろうな。友達って概念はどう定義できるんだろう?友達って何かな?」と言い出します。

他にも、華房さんが作った和菓子を見て、「対数美曲線ですね?」と数学の話を始めたりと、とにかく理屈っぽい話し方をしました。

しかし、まったく嫌味がありません。

華房さんに和菓子屋さんになるわけではないけれど、和菓子の作り方を教えてくださいとお願いした涼太は、

華房さんの弟子であるティンさんから、いきなりやってきて師匠に今まで学んできたことを全部教えろと言うのは失礼だと指摘されると、素直に謝るんですよね。

東野圭吾さんの小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』では、探偵役である少し変わり者のマジシャンに惹きつけられましたが、

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この小説では、理屈っぽいのに素直で前向きな主人公の魅力に惹きつけられました。

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感想②:ものづくりの楽しさと厳しさがわかる

先ほども紹介したように、涼太は和菓子職人を目指しはじめましたが、

和菓子職人の道は彼が想像していた以上に険しいものでした。

製菓学校で餡作りを学んだ涼太は、1ヶ月かけて研究を重ねても思うような餡が作れず、先生に相談したところ、

「まさか、半年や一年で満足できる餡が作れると思っているんじゃないだろうね?」と聞かれます。

さらに、「然るべき材料と分量と方法が見つかれば、簡単に自分が最高と思える餡が作れると思ってました」という涼太に、

「最高の餡なんてお目にかかったことがない。店で作っているのは、自分なりに工夫して生み出した及第点のもので、売り物にはなるけれど、最高ではない」と言われるんですよね。

藤岡陽子さんの小説『メイド・イン京都』では、主人公が作ったものが次々と売れていく物語が描かれていましたが、

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自分の思いを伝える努力をしていますか? 私は出来るだけ自分の思いを伝えるようにしていますが、 藤岡陽子さんの小説『メイド・イン京都』を読んで、改めて望ましい人生を歩むには、自分の思いを伝えることが大切だとわかりました。 そ...

この小説では、ものづくりの楽しさと厳しさがわかる物語が楽しめました。

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感想③:自分の人生は自分で決めるしかない

さて、この小説では、「自分の人生は自分で決めるしかない」をテーマに描かれているように思います。

主人公の涼太と製菓学校で一緒の班になった遠野寿莉(じゅり)は、自分に自信がありませんでした。

だからこそ、自分のことをつまらないと言ったり、必要以上に他人に謝ったりします。

そんな寿莉に対して涼太は、つまらない人間はこの世に存在しない、もし本当に自分がつまらないと思っているのなら、視点を変えるべきだと言い、

さらに、必要以上に謝ると、謝ればすむと思っているな、と思われてしまうと指摘します。

それだけでなく、将来を悩む彼女に、

たとえ親であっても、自分の人生を決めさせてはいけません。そのひとはあなたの人生にずっと責任を持ってくれるわけじゃないですから。自分で決めるのはたしかにしんどいです。だけど大切なことですよ。大切だから逃げられない。逃げられないから、しんどい。だったら自分で決めてしまうほうがいいです。決めてもし違っていると思ったら、またやり直せばいい。今のことは今の自分に決めさせて、将来のことは将来の自分が決めればいい。

と言うんですよね。

和田竜さんの小説『小太郎の左腕』では、自分に自信がある人は想像以上の力を発揮できることがわかる物語が楽しめましたが、

和田竜『小太郎の左腕』は自分を裏切るとすべてを失ってしまうことがわかる物語
自分を裏切るような行動をとっていませんか? 私は出来るだけ自分が納得できる選択をするよう心がけていますが、 和田竜さんの小説『小太郎の左腕』を読んで、自分を裏切った代償の大きさに衝撃を受けました。 どれだけ自信をもっていて...

この小説では、自分の人生は自分にしか責任がとれないので、自信をもって思い切って挑戦してみようと思える物語が楽しめました。

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まとめ

今回は、太田忠司さんの小説『和菓子迷宮をぐるぐると』のあらすじと感想を紹介してきました。

自分の人生は自分で決めるしかないことがわかる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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