坂木司『和菓子のアン』は赤毛のアンが好きな人にはたまらない物語

おすすめ小説

モンゴメリの小説『赤毛のアン』はお好きですか?

私は幼い頃に、テレビアニメでみていましたが、ヤンチャなアンが成長していく姿に惹きつけられた記憶があります。

今回紹介する坂木司さんの小説『和菓子のアン』の主人公は、赤毛のアンとは対照的におっとりしていますが、

芯の強さは似ており、これからどのように成長していくのか気になって仕方がないんですよね。

おすすめ度:5.0

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こんな人におすすめ

  • 小説『赤毛のアン』が好きな人
  • 和菓子をテーマにした日常ミステリーに興味がある人
  • 優しい気持ちになれる物語が好きな人
  • 坂木司さんの小説が好きな人
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あらすじ:和菓子屋でアルバイトを始めた主人公の物語

物語の主人公は、高校卒業を間近に控えた梅本杏子。

彼女は、特にやりたいことがなかったので、大学には行かずに、これからどうしようかと悩んでいました。

お父さんが毎日会社に働きに行く姿と、お母さんがパートで働いている姿を見てきたので、

何もやりたいことがないのにお金をかけて大学に行くよりも、ピンと来る何かを探した方がいいのではないかと考えていたからです。

とはいえ、高校を卒業して2ヶ月経っても、特にやりたいことが見つからなかったので、焦り始めたところ、

偶然、雨宿りに入った近所のデパ地下で「みつ屋」という和菓子屋と出会います。

彼女はここでアルバイトをすることに決めましたが、その理由は、制服がフリフリではなく、暇そうでもなく、苦手な男性もいなかったからです。

杏子は少し太っていたので、標準以下の容姿を持つ女性に対して極端に冷たい男性に苦手意識を持っていたんですよね。

ところが…。という物語が楽しめる小説です。

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感想①:魅力的な登場人物に惹きつけられる

あらすじでも紹介したように、杏子は和菓子屋「みつ屋」で働き始めましたが、

このお店には少し変わった人たちが働いていました。

店長の椿はるかは、まるで魔法のようにお客様の要望を把握して、完璧な接客をする女性でしたが、

バックヤードに入ると、パソコンで株をしながら「来い!来いったら来い!おらぁっ!!」と叫ぶなど、まるでおっさんのような性格をしていました。

一方で、職人志望の立花早太郎は、イケメンで、はじめは杏子に冷たく接していましたが、

それは乙女のような性格を隠すためでした。

彼はゲイではありませんでしたが、可愛いものを見ると乙女口調が出てしまい、そんな姿を見たバイトの女性が気持ち悪いと言って辞めていったことがあったからです。

そして杏子と同い年で、唯一まともだと思っていたアルバイトの桜井さんは、元ヤンで変な客相手に凄みを見せつけます。

…というように、杏子と一緒に働く人たちが魅力的で物語に一気に惹き込まれるんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『ホワイトラビット』でも、登場人物たちの魅力に惹きつけられて一気読みしましたが、

伊坂幸太郎『ホワイトラビット』はワクワクと驚きがとまらなくなる物語
最近、ワクワクしていますか? 私はワクワクしていないなぁ…と思っていましたが、伊坂幸太郎さんの小説『ホワイトラビット』を読んでワクワクと驚きがとまらなくなりました。 想像を上回る展開にページをめくる手が止まらなくなったんですよね...

この物語も読み始めると最後まで止まらなくなりました。

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感想②:和菓子が食べたくなる短編ミステリー集

『和菓子のアン』は、あらすじで紹介した物語も含めて、5つの短編で構成されています。

どれも美味しそうな和菓子が登場するので、読み進めていくうちに、実際に食べてみたくなります。

それぞれの短編について簡単に紹介すると、

  • みつ屋の近所で働くOLは、なぜ10個のうち1個だけ違う種類の和菓子を買ったのか?
  • 旧暦の七夕をイメージして作られた和菓子「鵲」を買った女性は、なぜ6時間もそのお菓子を持ち歩くつもりなのか?
  • ヤクザのような格好をした中年の男性は、なぜ杏子に「これでは菓子が泣くぞ」「半殺し」と言ったのか?
  • 同じフロアで働くケーキ屋の女性は、なぜ毎日のように兄に言われたからと大量のケーキを買って帰るのか?
  • お煎餅に占いを入れた「辻占」にお店が用意していない松の絵が書かれた紙が入っていたのはなぜ?

というような日常ミステリーが楽しめます。

米澤穂信さんの小説『古典部シリーズ』でも、誰も死なないミステリーが楽しめましたが、

わたし、気になります!?米澤穂信『古典部シリーズ』の順番とおすすめランキングを紹介
 誰も殺されない青春ミステリーはお好きですか?  私は殺人事件が起きるミステリーが大好きですが、米澤穂信さんの小説『古典部シリーズ』を読んで、誰も殺されないミステリーもそれほど悪くないかもしれないと思いました。  むしろ...

ほんわかしたミステリーが好きな人におすすめの物語です。

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感想③:優しい気持ちになれる物語

さて、この物語では、ミステリー要素だけでなく、優しい気持ちになれる要素も楽しめます。

旧暦の七夕をイメージして作られた和菓子「鵲」の物語では、彼女が6時間かけてお菓子を持ち運ぼうとした理由や、

優しそうな常連のおばあさんが頻繁に和菓子を買いに来る理由にグッときます。

なかでも、ヤクザのような中年男性が杏子に声をかけた理由が明かされたときは、

まるで『赤毛のアン』を読んでいるかのような気持ちになれたんですよね。

容姿に劣等感を抱きながらも一生懸命に頑張る杏子のひたむきさと、その頑張りを認める人たちの優しさが伝わってきたので、ページをめくる手が止まらなくなりました。

これから、杏子がどのように成長していくのか続きが気になって仕方ありません。

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まとめ

今回は、坂木司さんの小説『和菓子のアン』のあらすじと感想を紹介してきました。

優しい気持ちになれる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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