この前のエントリで微分の公式について紹介しましたが、今回は合成関数の微分について紹介します。

合成関数の微分とは、たとえば、\(h(x)=(x^2+3)^6\)などのように、2つ以上の関数の合成で成り立っている関数を微分するときに役立つ計算テクニックです。
二項定理を使って展開しなくても簡単に計算できるんですよね。
合成関数とは?
合成関数とは、ある関数の出力「\(u=f(x)\)」を、次の関数の入力「\(y=g(u)\)」としてあらわすことができる関数のことです。
たとえば、\(y=(x^2+3)^6\)の場合、
$$u=x^2+3$$
$$y=u^6$$
とあらわすことができますよね。これが合成関数です。
合成関数の微分のやり方
合成関数がどんなものか理解できたところで、早速、合成関数の微分のやり方について紹介していきます。
微分は、「\(x\)の増加分」を「\(\Delta x\)」、「\(y\)の増加分」を「\(\Delta y\)」とすると、
$$f'(x)=\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{x \to 0} \frac{\Delta y}{\Delta x}=\frac{dy}{dx}$$
と表すことができます。ここで、「\(dx\)」は「限りなく小さい\(\Delta x\)」で、「\(dy\)」は「限りなく小さい\(\Delta y\)」のことです。
これはライプニッツが微分を単純な分数計算として扱えるように導入した記号で、この記号を使って合成関数の微分を表すと、
$$\frac{dx}{dy}=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}$$
となります。
先ほど紹介した\(y=(x^2+3)^6\)をこの式を使って微分してみると、
$$\frac{du}{dx}=(x^2+3)’=2x$$
$$\frac{dy}{du}=(u^6)’=6u^5=6(x^2+3)^5$$
$$\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}=6(x^2+3)^5\cdot 2x=12x(x^2+3)^5$$
と求めることができます。簡単に計算できましたね。
まとめ
今回は、合成関数とその微分の計算方法について紹介してきました。
合成関数の微分は複雑な微分を計算するときに役立つので、ぜひ覚えておきましょう。
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