伊坂幸太郎『クリスマスを探偵と』は視点を変えれば世界はガラリと変わることがわかる絵本

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ひとつの視点に囚われて生きていませんか?

私は少し頑固なところがあるので、どうしてもひとつの視点に囚われてしまいがちですが、

伊坂幸太郎さんの絵本『クリスマスを探偵と』を読んで、視点を変えれば世界はガラリと変わることがわかりました。

それだけでなく、サンタクロースの存在を信じてみたくなる物語でもあったんですよね。

おすすめ度:3.5

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こんな人におすすめ

  • 他とは一味違うクリスマスを舞台にした物語を読んでみたい人
  • 過去が原因でサンタクロースを信じられなくなった主人公の物語に興味がある人
  • 視点を変えれば世界はガラリと変わる物語を読んでみたい人
  • 伊坂幸太郎さんの小説が好きな人
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あらすじ:底意地の悪さばかり見てきた探偵の物語

物語の主人公は探偵のカール。

彼はクリスマスにもかかわらず、ある男の浮気調査をしていました。

もちろん、今日が特別なわけではありません。

彼は普段から夫の浮気や妻の不貞、婚約者の身元、息子の行方など、げんなりするような、現実的な事柄ばかり調査していたのです。

それだけでなく、カール自身が人を陥れて食い扶持を稼いだこともあります。

そんな彼が今回尾行していた男は、尾行されていることにまったく気づかずに、浮気相手と思われる女性投資家の家に入っていきました。

その姿を見届けたカールは、「今回は簡単な調査だったな」と思い、近くにあった公園のベンチに座ったところ…。

という物語が楽しめる絵本です。

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感想①:他とは一味違うクリスマスを舞台にした物語が楽しめる

クリスマスを舞台に繰り広げられる物語といえば、川上未映子さんの小説『すべて真夜中の恋人たち』のような恋愛物語や、

百田尚樹さんの小説『輝く夜に』のように、奇跡が起こって願いが叶うという物語が多いように思いますが、

この絵本では一味違うクリスマスを舞台した物語が描かれています。

主人公のカールは、ある出来事があって以来、サンタクロースの存在を信じられなくなりました。

ところが、ラストに向かうにつれてサンタクロースは本当に存在するかもと思うようになっていくんですよね。

ミステリーとしても楽しめる絵本なので、子供よりも大人におすすめです。

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感想②:過去のトラウマが原因でサンタクロースが信じられなくなる

では、なぜカールがサンタクロースを信じられなくなったのかといえば、過去のトラウマが原因でした。

カールの家は画材屋でした。

家族3人がどうにか暮らしていけるだけの稼ぎはありましたが、父は新しいことが何ひとつない日々に嫌気がさしていました。

だからこそ、父は普段から機嫌が悪く、他所の女と浮気をしていたのです。

サッカーチームの監督をしているという嘘をついて外出していました。

そんな不機嫌な父と生活をしていたカールが唯一楽しみにしていたのがクリスマスです。

年に一回だけ欲しいものがもらえるからです。

もし、サンタクロースが実在しなければ、父はプレゼントをねだるカールを怒鳴るはずです。

しかし、そうはならずにプレゼントが届いていたので、カールは本当にサンタクロースがいると信じていました。

ところが15歳になったカールは、本当にサンタクロースがいるのか確かめたくなります。

そこでカールの家では手が届かない高価な自転車を頼んでみたところ…。

翌朝目を覚ますとその自転車が届いていたんですよね。

カールは「サンタクロースはいるんだ」と喜び、手に入れた自転車に乗って街をひとまわりしました。

しかし、家に帰ってくると母が泣き叫んでいました。「なぜ指輪を売ったの!」と父を責めていたのです。

こうして、カールはすべてが嫌になって家を出ることにしました。

崔実さんの小説『ジニのパズル』では、主人公が朝鮮学校に通うことでトラウマを持つ物語が描かれていましたが、

崔実『ジニのパズル』はこの世界は残酷だと気づかせてくれる物語
この世界は平和だと思っていますか? 私は幼い頃に貧乏だったので早い段階で残酷だと気づきましたが、 崔実さんの小説『ジニのパズル』を読んで改めて残酷なことを思い出しました。 大人というのは言い訳をして自分の都合の良い世界を築...

この物語を読んで、トラウマになるような衝撃的な出来事を抱えてしまうと、長年引きずってしまうことが、改めてわかりました。

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感想③:視点を変えれば世界はガラリと変わる

カールは、先ほど紹介したサンタクロースが信じられなくなった理由を、公園のベンチに先に座っていたサンドラという男性に話しました。

するとサンドラは、実はカールの父がサンタクロースだったのでは?と言い出します。

浮気を疑うことになった女性の毛は、実はトナカイのもので、サッカーチームの監督というのは、実はトナカイの飼育だったとしたら?

さらに、母の指輪を売ったのも自転車を買うためではなく、その指輪を欲しがっている子供にプレゼントしたのだとしたら?とこじつけを言うんですよね。

もちろん、カールは冗談として受け止めましたが、この後に続く彼の言葉を聞いて、父がサンタクロースだったのかもしれないと信じてみたくなりました。

その言葉とは…。

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この物語でも、視点が変われば世界はガラリと変わることがわかる物語が楽しめました。

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まとめ

今回は、伊坂幸太郎さんの絵本『クリスマスを探偵と』のあらすじと感想を紹介してきました。

視点が変われば世界がガラリと変わることがわかるだけでなく、綺麗な絵も楽しめる絵本なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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