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 「家が欲しい」と思っても、何から手をつけていいのかわからない。家を買ったら将来が不安定になってしまいそう。そんなふうに思っていませんか。

 私はそう思っていました。家賃と同じくらいの返済額にすれば「家を買っても大丈夫」という人もいますが、そんな簡単な話ではないような気がしていました。そこで、『フグ田マスオさん家を買う。』を読んでみたのですが――その考えが確信に変わりました。

〇従来型の物件選び
 賃料と同程度というくらいの曖昧な予算で物件を選ぶ
→購入直前に住宅ローンを含めた資金計画を立てる
→この資金計画で大丈夫かと不安になる
→再検討につながる可能性がある

 実際、このような買い方をして、家を手放さなければならなくなった人たちが大勢いるそうです。では、どのような買い方をすればそんなことにならずに済むのでしょうか。

〇未来型の物件選び
 ライフプランから教育資金や老後資金も想定して、購入できる住宅の予算を確定
→中古・新築のメリットやデメリットを把握したうえで、予算の範囲内の物件を選ぶ

 具体的にみていきましょう。

 1. まずは予算を確定する

 一般的に住宅に充てる予算は、「税込年収の25%が妥当、20%以下が理想」といわれています。しかし、家庭によってお金の使い方はさまざまですよね。そこで、家計の支出を6つの項目に分類して考えてみましょう。

  1. 基本生活費
  2. 教育費
  3. 保険料
  4. その他支出
  5. 一時的支出
  6. 住居費

 ここで、1.~5.を優先して確保することを考え、それ以外のお金を住居費とします。なかでも、お子さんがいる家庭では、「教育費」をまず確保することが大切だといわれています。なぜなら、高校・大学と進学するにつれて、お金がかかるからです。

 そこで、まずは今後発生する教育費の総額を計算し、卒業するまでの年数で割った「年間教育費(平均額)」を算出しましょう。年間教育費が平均額よりも低い時期には、差額を将来のために貯蓄。年間教育費が平均より高くなったら、上回った部分にそれまでの貯蓄を充てていきます。こうすれば、毎年同額を教育資金(固定支出)として計算することができ、家計が管理しやすくなります。

 幼稚園から大学までの学費を下の図にまとめました。たとえば、幼稚園は私立、小中学校は公立、高校は私立、大学は私立文系に進学したパターンでは、合計額を22年(生まれてから大学を卒業するまでの期間)で割ると、教育費の平均は年間約55万円になります。この55万円を教育資金(固定支出)として毎年貯めていくわけですね。

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 他にも、老後の資金(90歳まで生きると仮定して年間どれくらい必要かを見積もり、貯蓄額を決める)などを考慮して、どれだけ住宅費に充てられるかを決めていきます。実際、こうやって計算してみると、それほど住宅費に充てられないことに気づきますよね。

 それにもかかわらず、銀行がお金を貸してくれるからといって、高い家を買ってしまうと――いずれ手放すことになるかもしれませんよ。

 2. 予算の範囲内で物件を選ぶ

 では次に、先ほど計算した住宅費に収まる物件を選んでいきます。新築・中古・マンション・戸建てと、物件にも一長一短があります。それぞれ、どのような基準で選べばいいのか簡単にみていきましょう。

1. 新築マンション

 新築マンションを購入するなら「駅近」「再開発エリア」「人気の住環境エリア」がオススメで、それ以外のエリアは原則的に手を出すべきではありません。なぜなら、郊外の駅から遠い物件が安いからといって買ってしまうと、いざというときなかなか貸すことができませんし、周辺人口が減少して街に魅力がなくなると、希望価格での売却も見込めなくなるからです。

 また、マンションの住人が高齢化して住む人が少なくなるとゴースト化することも考えられます。このとき、誰がどの程度の修繕積み立て金や管理費を払うのかといった問題も生じかねません。

 そのため、新築マンションを購入するなら「駅近」「再開発エリア」「人気の住環境エリア」で探しましょう。

 ただし、不動産業者にも注意が必要です。仮に耐震偽装などでマンションが傾いたとしても対応してもらえる不動作業者かどうか見極める必要があるのです。具体的には、ブランド力があり、財力をもった大手不動産業者の物件、または、財力は劣るにしても、信用を第一に地域の発展のために不動産開発をしているような評判のよい不動産業者の物件を選ぶようにしましょう。

2. 中古マンション

 1971年、1981年、2000年に建築基準法による耐震基準が改正されているのをご存知でしょうか。耐震基準改正前後では、耐震などの強度が大きく異なることがあります。震災などを考慮すると耐震性がなければ心配ですよね。

 また、床のスラブ厚は、1980年代は150mm以上が標準であり、その後、180~200mmとなりましたが、最近では200mm以上が一般的になりました。さらに遮音性をアップさせるために二重床になっているケースもあり、マンションが建築された年代などによっても遮音性は大きく異なります。そのため、可能であれば、遮音性・耐震性を考慮して2000年以降に建築されたマンションを選びましょう。

 資産性で考えれば、新築マンションと同様に、「駅近」「再開発エリア」「人気の住環境エリア」がオススメで、それ以外は資産として見込めません。

 また、中古マンションは基本的には永住ではなく、住み替えを前提として考える必要があります。もし、30歳で築20年の物件を購入したとしたら、90歳になったときには、築80年のマンションになります。みなさんは築80年のマンションを想像できますか。

 そのため、住み替えを前提とした資金計画を立てましょう。

3. 新築戸建て

 戸建ては「駅近」「再開発エリア」にこだわると、周辺に中高層マンションが建っているケースも多いので、「ほどよく駅に近い人気の住環境エリア」で探すのがオススメです。また、駅近でマンションが建っていない良い物件があったとしても、周辺に駐車場や空き地がある場合は要注意です。購入したときは駐車場や空き地であっても、将来はマンションなどの大きな建物が建つかもしれません。そうしたときに、プラカードを立てて反対しても遅いのです。

 新築を購入する場合は、値段的に建売住宅を購入する方が多いでしょう。しかし、建売住宅は、土地では利益が出しにくいため、建物に利益を載せて儲けを出すのが常道です。そのため、建売を選ぶ場合は、建物の「仕様レベル」や「品質」を落としていないか見極める必要があります。事前に、モデルハウスや新築マンションのモデルルームを見学するなどして、設備や仕様について勉強しておきましょう。

 さらに、戸建てはマンションとは違い、リフォームなどに対して自分で資金を準備する必要があります。あらかじめ将来のメンテナンスコストがどの程度になるかを試算しておくことも大切です。

4. 中古戸建て

 新築戸建てと同様、「人気の住環境エリア」から探すのがオススメです。ただし、リフォームを前提として購入するときは、トータルの予算がいくらになるかを事前に把握することが重要です。リフォームしたら新築より高くなった…と嘆いている人も大勢いるからです。

 また、中古マンション同様に、基本的には永住ではなく、住み替えを前提として考えてください。子供が成長するまでは中古戸建てに住み、独立したら2LDKなどの(中古)マンションに住み替え(買い替え)るというライフスタイルも選択肢として有効です。

 まとめ

 家を買うかどうか迷ったときには、「家賃を払うくらいなら家を買おう」といった軽い気持ちで決めるのではなく、将来にわたるライフスタイルを考慮して決める必要があるとわかりました。

 また、このエントリでは紹介しきれていませんが、

  • 繰上げ返済で完済できる人は「固定金利」よりも「変動金利」を選択したほうが得
  • 住宅ローン控除が受けられる10年間は返済額を抑え、控除の恩恵を受けやすくする
  • 住宅ローンを借りるのであれば、一般的には団体信用生命保険に加入するので、一般的な保険も見直すべき

などなど、事前に勉強しておけば得することが色々あります。

 そのため、「家を買おう」と思ったら、まず不動産業者にいくのではなく、勉強することからはじめたほうがいいかもしれませんね。私も、本書をきっかけに勉強していきたいと思います。ぜひ、自分にあった「いい家」を安く手に入れましょう。

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