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(※『ちんぷんかん』表紙より)


 畠中恵さんの小説『ちんぷんかん』。

 兄・松之助の縁談が決まったり、幼馴染・栄吉の弟子入りが決まったりと、若だんなに様々な別れが訪れる物語です。

 読めば少し切ない気持ちになること間違いなし!?

 今回は『ちんぷんかん』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『ちんぷんかん』のあらすじ(『鬼と小鬼』)

 ついに若だんなが三途の川に!?

 近所で火事がおき、煙を吸いすぎた若だんなは、気がつくと三途の川にいました。

 そこでは、親より先に死んだ子どもたちが、供養のために小石を積んでいました。親より先に死んだ罰を少しでも軽くするために、供養のための塔を作っていたのです。

 しかし、塔を作ろうとすると鬼がやってきて蹴散らします。若だんなも塔を作ろうとしますが、鬼に蹴散らされることに。

 さらに、若だんなにはやるべきことがありました。死んでいないのについてきた妖・鳴家とお獅子を現世に返す必要があったのです。

 それを知った子どもたちは――。

 死んでも自分のことばかり考える人たちに心苦しくなる物語です。

 『ちんぷんかん』のおすすめポイント

1. 少し切ない短編ミステリー

 『ちんぷんかん』は全5章で構成された短編集です。どれも切なくなる物語ばかりなんですよね。

 なかでもおすすめなのが、『男ぶり』『今昔』『はるがいくよ』。

 それぞれ簡単に紹介します。

『男ぶり』

 若だんなの母・おたえの恋物語。

 おたえはとても美しく、多くの縁談がありましたが、すべて断っていました。父が許さなかったからです。

 男前の辰二郎もそのひとり。しかし、彼に好意を寄せていたおたえは、彼の男ぶりを見せつけて結婚を認めさせようとします。

 ちょうどその頃、辰二郎の叔父・水口屋で卵が増えるという不思議な出来事が起こっていました。

 この謎を解いて辰二郎と結婚しようとおたえは必死になりますが――。

 最後は心温まる物語です。

『今昔』

 ついに松之助の縁談が決まる!?

 若だんなの回復を祈って神社に訪れた松之助は、同じく姉の回復を祈る玉乃屋のお咲と出会い、気になる間柄に。

 しかし、縁談相手はお咲ではなく、姉のおくらでした。

 困ったことになった…と悩んでいた松之助に、さらなる悲劇が訪れます。若だんなとおくらが陰陽師に呪い殺されかけたのです。

 これに怒った仁吉と佐吉が陰陽師を捕らえようとしたところ――。

 貧乏神の金次も登場。最後はスッキリする物語です。

『はるがいくよ』

 松之助の結婚祝いを何にしようか考えていた若だんなに、妖たちが次々と贈り物候補を持ってきます。

 掛け軸や着物、草履、春画、茶碗などなど。しかし、その中には見知らぬ赤子の姿がありました。

 その赤子は長崎屋に植えた桜の花びらの妖。彼女の成長は早く、花びらが散る頃には消え去ってしまいます。

 そこで若だんなは、彼女の命を延ばす方法を探しますが、植木職人に聞いても、寛朝御坊に聞いても、そんな方法はないと言われました。

 ところが、仁吉と佐吉から思わぬ提案が。それを聞いた若だんなは――。

 若だんなの決断に切なくなる物語です。

2. 別れをテーマに描いた小説

 『ちんぷんかん』は別れをテーマに描いた小説です。

 兄・松之助は、縁談が決まったので近々長崎屋を出て行くことになり、幼馴染の栄吉は、修行のために他のお店に行くことになりました。

 いつも病弱で行動範囲が狭い若だんなだけが変わらぬまま。

 もちろん若だんなは、松之助や栄吉にとって旅立ちが喜ばしいことだとわかっています。しかし、それにしても寂しい…。

 若だんなの気持ちが痛いほど伝わってくる物語です。

3. 終わりがあるから面白い!?

 そんな若だんな自身もある決断に迫られます。妖たちとずっと一緒に過ごすか、それとも限られた命を生きるのか。

 その提案を聞いた若だんなの答えは――。

 読めば切ない気持ちになる物語です。

 最後に

 畠中恵さんの小説『ちんぷんかん』。読めば少し切ない気持ちになること間違いなし!?

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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