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(※『キャプテンサンダーボルト 上』表紙より)


 一発逆転したいと思ったことありませんか。

 私は、仕事が予定通りに進まなかったときに思っています。特に最近は一発逆転したいことばかり…。

 阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの共著『キャプテンサンダーボルト』に登場する主人公たちも一発逆転したいと思っていました。

 相葉は車と女性関係で積み重なった借金のために、井ノ原は子どもの病気を治すために一発逆転を目指します。読めば「どんなことにも逆転できるチャンスはある」と思えること間違いなし!?

 今回は『キャプテンサンダーボルト』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『キャプテンサンダーボルト』のあらすじ

 1973年式のポンティアック・ファイヤーバード・トランザムを手に入れるために借金をした相葉は、東京でAV出演を強要された後輩を救うためにさらに借金を重ねました。

 その結果、これまで迷惑をかけっぱなしだった母の店舗兼住居を手放すことに。

 さすがに、このままではダメだと思った相葉は、一発逆転を目指して詐欺師から金を奪う計画を立てます。

 しかし、待ち合わせ場所に現れたのは、詐欺師ではなく、プロの犯罪集団でした。その中には、メンターと呼ばれる怪人の姿が!?

 ここから相葉の一発逆転劇が始まります。

 『キャプテンサンダーボルト』のおすすめポイント

1. 至るところに伏線が!?

 物語の冒頭、東京大空襲の話が出てきます。内容は、三機のB29が東北にある蔵王連邦の不忘山に墜落したというものでした。

 その後、蔵王連邦の近くにある御釜で、村上病という感染症が広がります。感染すれば致死率が70%強といわれる怖ろしい病気。多くの人が予防接種を受けました。

 さらにその後、戦隊ヒーローの『鳴神戦隊サンダーボルト』劇場版が公開中止になります。レッド役の赤城駿が少女にわいせつ行為をしたのが原因でした。

 そして現在。プロの犯罪者集団から金を巻き上げようと、相葉が命がけでメンターに立ち向かう!?

 このバラバラな物語がひとつに繋がっていくのが面白い小説です。

2. 主人公2人のコンビネーションが絶妙

 相葉がプロの犯罪集団に立ち向かおうとしていた頃、井ノ原は借金で苦しんでいました。

 彼の4歳になる息子は、特殊なアレルギーにかかり、痒さで夜も眠れません。妻も看病と借金に追われてノイローゼ気味。

 そんな窮地に追い込まれた井ノ原が、偶然、少年野球のチームメイトだった相葉と再会し、一緒に金を奪わないかと誘われます。

 初めは協力することを拒否していた井ノ原でしたが、相葉の勢いに押されて手伝う羽目に…。

 こうしてトラブルメーカーの相葉と家族思いの井ノ原が結託して犯罪集団に立ち向かいます。絶妙なコンビネーションが面白い!?

3. 驚きの結末が!?

 物語が終盤に入ると、村上病の謎が明かされ、まったく想像していなかった結末が浮かび上がってきます。

 さらに、相葉と井ノ原の頑張りに胸が熱くなり、心動かされること間違いなし!?

 最後に

 阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの共著『キャプテンサンダーボルト』。読めば「どんなことにも逆転できるチャンスはある」と思える物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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