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(※『言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密』表紙より)


 仕事に夢中になっているときは考えませんが、仕事がひと段落したときなどの「ふとした瞬間」に、「何のために働いているんだろう」と考えることがあります。

 このとき、「家族のため」「会社のため」「社会をよくするため」…など、様々な答えが浮かんできますが、どれも腑に落ちませんでした。しかし、赤城乳業の社長の言葉を聞いて納得することができたのです。それが:

「会社のために働くな。自分のために働け」

 「会社のため」と思って働くよりも、「自分のため」と思って働いたほうが、結果として、会社のためにも、自分のためにもなるからだとか。

 ここで言う「自分のために働く」とは、自分を好きになり、目の前の仕事を好きになること。そうすることができれば、そうした「場」を与えてくれた会社という組織にも愛着が湧きますよね。だから頑張れる。結果として、会社のためにもなるわけです。

 実際、赤城乳業の売上は伸び続けており、「若い人たちの眼がこれほど輝いている会社を私は他に知らない」と『言える化』の著者が言うほど社員がイキイキと働いているそうです。

 では、どうすれば赤城乳業の社員たちのように「目の前にある仕事」が好きになり、「自分のため」に働くことができるのでしょうか。

 1. あそび心を大切にする

 赤城乳業の営業本部は「古い社宅」だそうです。普通の人なら「なんでこんなところが営業本部なの?」と文句を言って、ふてくされたくなるようなところ。

 しかし、赤城乳業では、この営業本部に「秘密基地」という名前を付けて活用しているのだとか。そうすることで、「古い社宅」が「みんなが密かに集まる秘密の場所」という印象に変わり、なんだか楽しい雰囲気がしてきますよね。

 このように、一見マイナスに思えることでもプラスに変える「あそび心」を大切にしているからこそ、赤城乳業の社員は楽しんで仕事ができるのです。その結果、他の会社にはない斬新な商品が次々と生み出されていく――。

 仕事に「あそび心」は不可欠なんですね。

 2. 大きな仕事に挑戦する

 発売3日で販売休止に追い込まれたアイス「ガリガリ君リッチコーンポタージュ(通称:コンポタ)」をご存知でしょうか。あまりにも売れすぎて生産が追いつかなかくなった商品です。

 実は、この人気商品を生み出したのは、20代の若い二人組。他の会社であれば間違いなく「暴走」と言われるほど突っ走り、若い感性を活かしたヒット商品づくりに成功しました。

 では、彼らにはどの程度の仕事が任されていたのでしょうか。

 「コンポタ」の生みの親である入社3年目の岡本さんは、商品化が決定した後、アイスの基となる原料を調達するため、原料メーカーとの打ち合わせをセットしました。原料メーカーからは課長以下数名の担当者が来社したそうですが、相手をしたのは25歳(当時)の岡本さんひとり。

 もちろん不安だらけだったそうですが、商品にかける思いと責任感で経験不足をカバー。原料メーカーの担当者から「若いのにしっかりしてますね」と声をかけられるほど頑張ったそうです。

 このように、赤城乳業では、普通の会社であれば課長や係長が担当するような仕事を入社数年目の若手社員に任せています。その結果、若手社員たちは、自分の思うように仕事に挑戦でき、目の前の仕事が好きになるわけですね。

 もちろん、会社によっては大きな仕事を任せてもらえないこともあるでしょう。しかし、目の前の仕事で結果を出し続ければ、チャンスはめぐってきます。腐らずに挑戦していきたいですね。

 3. ギリギリまで自分を追い込む

 とはいえ、大きな仕事を任せられた限りは責任も問われます。影山さんも責任を問われたひとり。入社後、開発部に配属された影山さんは、いきなり「ガリガリ君」の担当を命じられました。新商品を提案する仕事を任されたんですね。

 もちろん、新入社員が一人で進められるような仕事ではありません。そこで苦し紛れに新商品の提案をしたところ…。

「お前、これ自分で何点だと思っているんだ?」

 と上司から詰問されたそうです。自信がまったくなかった影山さんは正直に「60点です」と答えると、「60点のモノを売っていいんか!」とすごい剣幕で怒鳴られたといいます。新入社員だからといって容赦ありません。

 しかし、こうやって社員ひとりひとりをギリギリまで追い込むことで、「本気の力」を出させようとしているのだとか。

 その後も影山さんは、数千万円もする機械を導入するも売れ行きが散々…というようなヤバイ状況に何度も追い込まれたそうです。しかし、このヤバイを乗り越え、いくつものヒット商品開発に成功。今では係長として大手コンビニ向けの商品開発を統率しているそうです。

 このように「自分を追い込むこと」で本気を出し、実力がつき、結果を出す喜びが味わえるからこそ、「目の前の仕事」に真剣に取り組むことができるんですね。もし、本気を出さずに仕事をしているようなら――。自分で自分を追い込んでみてはどうでしょうか。

 最後に

 「何のために働くの?」という疑問に対して、どうしても「他人のため」という大義名分を掲げてしまいがちですが、まずは「自分のため」に働いたほうが、結果として他人のためにもなるのかもしれません。

 そして、「自分のために働く」というと、「楽して」「お金のために」「好き勝手に」というイメージを抱きがちですが、そうではなく、「目の前の仕事が楽しくてしょうがない」と言える状況を作り出すことが大切なのでしょう。

 赤木乳業では、社員が自分のために働けるようにするために、大きな仕事を与え、ギリギリまで追いこむ。しかし、「あそび心」を大切にすることも同時に教え、仕事が楽しめるようにしていました。

 もし、「仕事が楽しくない」と感じていたり、「何のために働くのか?」がわからないときは、赤城乳業の取り組みを参考にしてみてはどうでしょうか。きっと何らかの答えが見つかるはず。

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