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 手紙を書いてますか?

 私は手紙を書いた記憶が思い出せないくらい手紙を書いていません。字が下手なのも要因のひとつですが、それ以上に多くのことがメールで済ませられるので必要性を感じられないんですよね。

 しかし、小川糸さんの小説『ツバキ文具店』を読んで手紙を書きたくなりました。手紙がもつ不思議なあたたかさに触れてみたくなったからです。

 代筆屋として手紙と向き合う主人公の物語

 物語の主人公はツバキ文具店を営む雨宮鳩子。雨宮家は江戸時代から続くとされる由緒正しき代筆屋で、鳩子はその11代目でした。

 そのため、彼女は先代である祖母から徹底的に字の書き方を叩き込まれます。

 小学一年生の頃に墨デビューをして以来、毎日一時間以上も筆を握って習字の練習をしてきました。夏休みでもプールに行ったりかき氷を食べたりする暇がないほど練習に励みます。

 とはいえ、格式のある難しい字を書くことだけを求められたわけではありません。

 先代は「いくら能筆だからってさ、誰も読めないような字で書いたんじゃ、粋を通り越して、野暮ってもんだよ」とよく言っていたので、相手に伝わるように字を書くことを要求されました。

 そして今では、知り合いの猿が亡くなったのでお悔やみ状を書いて欲しいとか、学校の先生に恋文を出したいとか、離婚を報告する手紙を書いて欲しいといった依頼を受けて字を書く毎日を過ごしています。

 しかし、鳩子は何事もなく代筆屋になったわけではありませんでした。

 確執はどうすれば解消できるのか?

 鳩子は高校生の時に先代にはじめて反抗しました。

 同級生は一泊二日でディズニーランドに行っているのに、断るしかなかった彼女は、ついに堪忍袋の尾が切れるんですよね。

 「うるせぇんだよ、糞ババア、黙ってろ!」「てめぇの人生を、押しつけんな!」「何が今どき代書屋だよ?バッカじゃないの」とこれまでの不満をぶつけます。

 そしてこの後、彼女はファーストフード店に入ってはじめてハンバーガーとコーラを口にしました。それほどまでに先代の言うことに従って生きてきたのです。

 これがキッカケで彼女は不良になりました。高校卒業後は専門学校に行ってデザインの勉強をし、先代が亡くなってからはすべてが嫌になって海外へ逃げました。

 そして先日、先代の双子の妹が亡くなったので、ツバキ文具店を継いで代筆屋をやることにしたのですが、今では、先代との確執を後悔していました。ところが…。

 手紙だからこそ伝えられることもある

 あることがキッカケで鳩子は先代の手紙を手に入れます。そこには、鳩子とどのように接していいかわからずに悩んでいるか弱い女性の姿がありました。

 手紙には鳩子には想像できない祖母の姿があったんですよね。そんな祖母の姿を知った鳩子は…。

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、小川糸さんの小説『ツバキ文具店』は手紙だからこそ伝えられることもあるのだと気づかせてくれる物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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