webstation plus

 売れっ子になりたいですよね。

 私はブログで売れたいと思っていますが、そうでなくても、仕事で、ハンドメイドで、YouTubeで売れたいと思っている人は大勢いると思います。

 では、どうすれは売れっ子になれるのでしょうか。

 ビートたけしさんの小説『キャバレー』を参考に考えてみましょう。

 ツライ境遇を嘆かない

 物語の主人公は綾小路きみまろ。彼は若い頃、キャバレーで司会兼舞台係をしていました。

 当時のキャバレーは、ヤクザと繋がりがあり、彼らに多くのお金が流れていました。キャバレーとしては、そのお金も稼ぐ必要があったので、ビールの残りを別の瓶に入れて出したり、フルーツの盛り合わせも綺麗なものは捨てずに使い回したりしていたそうです。

 さて、綾小路きみまろだけでなく、和田アキ子やツービート(北野たけし)なども出演していたキャバレーで、きみまろは漫談をしていましたが、このままでは売れないと思い、各地を営業で回ることにしました。

 ところが、想像を絶するツライことばかり起きるんですよね。

 たとえば、旅館は大部屋で雑魚寝するだけのスペースしかなく、営業先では名前を覚えてもらえず、楽屋もビール瓶が積まれた部屋しか用意してもらえません。

 さらにヤクザ相手に漫談をすると、ジョークが通じないことがあり、脅されることも日常茶飯事です。

 とはいえ、そんな状況を嘆いても仕方ありません。きみまろに優しく接していたキャバレーの支配人も…。

 周りに惑わされない

「でもな、きみまろ、売れたタレントはほとんど、そうやって色々なネタを試行錯誤しながらやって来たんだ!そのうちの、運の良い奴だけが売れるんだ、努力するのは当たり前でな。宝くじを買うのが努力、当たるのが、運。買わなきゃ当たらないよ!」

 と励ましてくれます。しかし、それだけでなく、周りに流されない強さも必要でした。

 ちょうどその頃、漫才ブームが起き、きみまろの客いじりのネタが他の芸人に使われ、テレビで見たと客から言われるようになります。

 皆が使うのはウケている証拠ですが、早く売れて同じネタをやり、綾小路きみまろのネタだと言われるようになりたいと、焦るようになりました。

 しかし、きみまろは我慢してキャバレーで漫談を続けるんですよね。今頃、漫才に切り替えてもブームに乗れないと悟っていたからでした。

 そして、きみまろの読み通り漫才ブームは過ぎ去りますが、彼の出番はやって来ませんでした。

 それでも、きみまろはキャバレーに出続け、森進一の司会、養老院や刑務所の慰問、敬老会のディナーショーなど、地道な活動を続けます。その結果…。

 地道な活動が売れっ子への道

 とうとう売れっ子になるんですよね。しかし、売れっ子になったきみまろは、これが本当に売れっ子の仕事なのかと疑問を持つようになりました。

 バーで飲みながら歌ったり、焼き鳥屋で鍋を食べたりするのが本当の仕事なのかと。そこで彼が出した結論は…。

 ぜひ実際に読んできみまろが出した結論に触れてみてください。

 最後に

 ビートたけしさんの小説『キャバレー』。綾小路きみまろさんの成功体験を通して、売れっ子になる秘訣がわかる物語です。

 気になった方はぜひ。

 関連記事

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』/人間の最大の武器は信頼と習慣

 「あなたが犯人だ!」とマスコミに取り上げられたとき、どれだけの人が無実だと信じてくれるでしょうか。  私の場合は…。もっと誠実に生きないとダメですね。伊坂幸太郎さんの小説『ゴールデンスランバー』を読んでそんな思いになり …

伊坂幸太郎『クリスマスを探偵と』感想/視点を変えれば世界が変わる!?

 サンタクロースを信じていますか?  私は小さい頃から信じていませんでした。家が貧乏だったので、プレゼントをもらえなかったからです。  しかし、伊坂幸太郎さんの絵本『クリスマスを探偵と』を読んでサンタクロースを信じてみた …

犯人は誰!?米澤穂信『愚者のエンドロール』は探偵がいないミステリー小説

(※『愚者のエンドロール』表紙より)  米澤穂信さんの小説『愚者のエンドロール』。  前作『氷菓』に続く古典部シリーズ第2弾の本作は、2年F組の先輩たちが自主制作したミステリー映画の謎に迫る物語です。読めば驚きの結末が! …

殺人にも意味を求めるのが人間らしさ/伊坂幸太郎『死神の精度』感想

 「生きている理由なんてもとからないんだ」と決めつけている死神と、生きる意味を追い求める人間たち。その対比を通して人間らしさとは何かを描いた小説が伊坂幸太郎さんの『死神の精度』です。  人はどんなことにでも意味を求めます …

大人をバカにする中学生への正しい対処法/伊坂幸太郎『マリアビートル』感想

 ムカつく中学生っていますよね。大したことも出来ないくせに、大人をバカにしたり、見下したり、暴言を吐いたり…。  そんな生意気な中学生にはどのように対処すればいいのでしょうか。  もちろん、痛い目に合わせるしかありません …

異なるジャンルの短編がゆるくつながる小説/伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』感想

 伊坂作品の特徴といえば、至るところに散りばめられた伏線がすべて回収されていくところですよね。  これは短編でも長編でも同じです。複数の物語がゆるやかにつながっていき、読了後には必ず驚きとスッキリ感が味わえます。  もち …

結果よりもプロセスを大切に/伊坂幸太郎『残り全部バケーション』感想

 「歩いても、走っても、飛んでも結果が変わらないのなら、飛びたいだろうが!」  そんなセリフを吐くドジなチンピラが主人公の小説が伊坂幸太郎さんの『残り全部バケーション』です。物語のすべてが語られないので、空白を埋めたくて …

有川浩『シアター!2』感想/悪意ある批判には作品を殺す力がある

 本を読んでいると、たまに自分の好みとあわない物語に出会うことがあります。  そんなとき、私は出来るだけ批判めいた内容を書かないように気をつけていますが、それでも相手を傷つけてしまうことがあるんですよね。  もちろん、悪 …

東野圭吾『卒業』感想/モラトリアムから抜け出せていますか?

 モラトリアムから抜け出せていますか?  もし、「友人と過ごす時間がいちばん楽しい」と感じているようなら、子どもから大人に移行する橋渡し期間(=モラトリアム)から抜け出せていない証拠。今すぐ考え方や行動を変えたほうがいい …

厳しい現実に立ち向かうには哲学とユーモアが必要/伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』感想

 アパートに引っ越してきた大学生が隣の住人から「一緒に本屋を襲わないか?」と誘われて始まる物語。そんな意味不明な幕開けをする小説が伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』です。  物語全体もかなり現実離れしています …