恋愛要素とミステリー要素が楽しめる物語はお好きですか?
私は少し前まで恋愛小説が苦手でしたが、今では楽しめるようになったので、宮木あや子さんの小説『CAボーイ』は最後まで楽しめました。
それだけでなく、キャビンアテンダントとして奮闘する主人公に惹きつけられる物語でもあったんですよね。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- キャビンアテンダントという職業に興味がある人
- 恋愛要素とミステリー要素が楽しめる物語が好きな人
- 軽いノリの会話が楽しめる物語が好きな人
- 宮木あや子さんの小説が好きな人
あらすじ:キャビンアテンダントに転職した主人公の物語
物語の主人公は、新卒で外資系ホテルに就職した高橋治真(はるま)。
彼は、フロントスタッフとして5年間働いていましたが、ある出来事が原因で諦めた「パイロットになる」という夢を今でも諦めきれずにいました。
そんな治真にチャンスが訪れます。
日本の大手航空会社であるNALが中途採用で客室乗務員を募集したのです。
しかも、適性があれば希望部署への異動も可能という採用方法が窺える内容でした。
このチャンスを逃すまいと採用試験を受けることにした治真でしたが、仕事でラスベガスに向かう途中の飛行機内でトラブルに巻き込まれて…。
という物語が楽しめる小説です。
感想①:CAという職業に興味が持てる
あらすじで、治真はキャビンアテンダント(CA)に転職したと書きましたが、
具体的な仕事内容については知らないことも多かったので興味が持てました。
たとえば、CAの研修はとても厳しいと言われています。
それは飛行機の機体の構造をはじめ、各部品の役割や名称、故障が発生したときの対処法を覚えて、乗客を守る必要があるからです。
もちろん、人命救助の訓練もあります。
急病人が発生した飛行機内に医者がいなかった場合、そのまま死なせるわけにはいかないので、医療行為以外のできることをする必要がありました。
そのできることを咄嗟に行動に移せるように訓練を重ねるので、どうしても厳しくなるんですよね。
他にも、CAではありませんが、空港の保安検査員の仕事にも興味が持てました。
金属探知機を持ち、お客様の身体の周りをチェックする門探という仕事です。
この仕事は、24時間勤務で、朝の8時から働き始め、次の日の朝8時に退社します。
これだけでも激務ですが、カッターナイフひとつでも門探通過後のエリアで見つかると、すべての運行を止めて再検査をする必要があるので、プレッシャーがかかる仕事なんですよね。
瀧羽麻子さんの小説『あなたのご希望の条件は』では、キャリアアドバイザーという職業に興味が持てましたが、

この小説では、CAを含む航空会社の仕事に興味が持てる物語が描かれていました。
感想②:ミステリー要素が楽しめる
先ほど、ある出来事が原因で、治真はパイロットになるという夢を諦めたと書きましたが、
それは父がNALの元パイロットであり、一歩間違えれば墜落事故になるような操縦をした責任を取らされていたことが関係していました。
このとき、マスコミは父がクスリでラリっていたなどと嘘を並べ立て、治真たち家族にもカメラを向けてきました。
そこで、母と治真は父を置いて逃げるように千葉から兵庫へ引っ越し、両親は離婚したのです。
このときのトラウマで、治真はパイロットになる夢を諦めたわけですが、
治真の大学時代の友人が警察に捕まったことで、父が濡れ衣を着せられていたことがわかるんですよね。
伊坂幸太郎さんの小説『ゴールデンスランバー』では、濡れ衣を着せられた主人公が逃げ惑う物語が描かれていましたが、

この小説では後半に突然ミステリー要素が入ってきたので、驚きました。
感想③:恋愛要素も楽しめる
さて、この物語では治真がキャビンアテンダントとして奮闘する要素とミステリー要素に加えて、恋愛要素も楽しめます。
彼が恋をした相手は、門探をしていた茅乃という女性でした。
とはいえ、治真は恋とは少し違う感情を抱いていました。
好きとは言えないけれど、そばに居てほしいというわがままな感情を抱いていたんですよね。
しかも、そのことをストレートに茅乃に伝えてしまいます。
そこで茅乃は…。
水野敬也さんの小説『大金星』では、はちゃめちゃな恋愛物語が描かれていましたが、

この小説でも他とは一味違う恋愛物語が楽しめました。
まとめ
今回は、宮木あや子さんの小説『CAボーイ』のあらすじと感想を紹介してきました。
キャビンアテンダントという職業に興味が持てるだけでなく、ミステリー要素も恋愛要素も楽しめる小説なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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