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 他人の話を鵜呑みにしていませんか?

 私はよく他人の話を鵜呑みにしていますが、三上延さんの小説『ビブリア古書堂の事件手帖5』を読んで、他人の話を鵜呑みにしていると痛い目に遭うことに気づきました。

 友人や知人だけでなく、親の話でも鵜呑みにしていると、痛い目に遭うことがわかる物語なんですよね。

 雑誌のバックナンバーを売っては買い戻す女性の物語

 物語は五浦大輔が、彷書月刊のバックナンバーを古書店に売っては、買い戻す女性がいるという話を聞いたところから始まります。

 その女性は宮内多美子と言い、ビブリア古書堂にも現れました。

 彼女が売りにきた雑誌には、チェックしたところに「新田」という書き込みがありました。また、弘隆社という社名の下には黒丸が書かれています。

 栞子さんと大輔はその意味を探ろうとしますが、全くわかりませんでした。

 そんな彼らの前に現れたのが、常連客である志田です。

 志田は大学教授のような風貌をしている老人を連れてきたのですが、志田はその人の名前を言わないようにしていました。

 ところが、その老人が売りにきた本に黒丸のチェックがあったのです。そこで大輔は、志田にその人物のことを訪ねようとしますが…。

 多くの人たちが隠し事をして生きている

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、三上延さんの小説『ビブリア古書堂の事件手帖5』には、隠し事をして栞子さんと接している人たちが大勢いました。

 先ほど紹介したビブリア古書堂の常連客である志田もそのひとりですが、

 彼だけでなく、栞子さんの友人である滝野リョウや幼馴染の門野澄夫も隠し事をしていたんですよね。

 彼らはこっそりと栞子さんの母と連絡をとったり、重要な出来事を隠したりしていました。

 そんな彼らの隠し事を栞子さんは見抜くだけでなく、母の差し金で頼まれた悩み事まで解決していきます。

 栞子さんは彼らのことを友人・知人であるという理由で信じるのではなく、一つひとつの出来事を検証して接していたんですよね。

 そんな栞子さんの姿を見ていると…。

 他人の話を鵜呑みにすると痛い目をみる!?

 他人の話を鵜呑みにせずに生きて行こうって思えてきます。

 というわけで、三上延さんの小説『ビブリア古書堂の事件手帖5』は、友人・知人だからといって話を鵜呑みにするのではなく、ひとつひとつ検証しながら接していこうと思える物語ですが、

 それだけでなくミステリーとしても、大輔と栞子さんの恋の行方が気になる物語としても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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