芦沢央『バック・ステージ』は魅力ある登場人物が織りなす驚きのある物語

おすすめ小説

驚きのある物語はお好きですか?

私は大好きなのでミステリーをよく読んでいますが、芦沢央さんの小説『バック・ステージ』は驚きが5回も味わえました。

それだけでなく、魅力的な登場人物に惹きつけられる物語でもあったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 演劇の舞台を中心にゆるくつながっていく物語に興味がある人
  • 魅力的な登場人物たちが織り成す物語を読んでみたい人
  • ラストで驚ける物語が好きな人
  • 芦沢央さんの小説が好きな人
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あらすじ:嫌な上司の不正を暴くことになった主人公の物語

物語の主人公は営業の仕事をしている松尾。

彼は居残り組の中でも最後に会社を出ましたが、

仕事用の携帯を忘れたことに気づき戻ったところ、先輩の康子さんが澤口次長の机を四つん這いになって漁っている現場に遭遇しました。

松尾は見なかったことにしようとしますが、声をかけられ、一緒に証拠を探せと言われます。

その証拠とは、澤口がルーブ企画に水増し請求をしてキャッシュバックをもらっているというものでした。

康子さんは、たまたま休みの日に変装して入った喫茶店に澤口がいて、何か妙にこそこそしているからと近くの席に座って盗み聞きしていたときに、そんな話が出てきたと言います。

松尾は、同期の玉ノ井に無茶を言い続けて泣かせた澤口に仕返しをするために康子さんが証拠を探しているのでは?と推測しましたが…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:演劇の舞台を中心に5つの短編がゆるくつながる

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて全部で5つの短編が楽しめます。

それぞれの物語について簡単に紹介していくと、

  • 息子の浩輝がサッカーがうまい親友ができたというので、慎也くんと仲良くしていると思っていた志帆子が、公開授業でまったく慎也くんと仲良くしていない息子の姿を目の当たりにする物語
  • 大学生になった奥田が中学生のときに同級生だった伊藤と再会して告白するも、なぜか「奥ちゃんは、私のことをよく知らないから」とフラれる物語
  • 女優の新里茜と浮気をした川合春馬が「シーン32には出るな。もし出たら、新里茜との関係を舞台上で公表する」と脅迫される物語
  • 74歳になる女優・千賀稚子のマネージャーが彼女がボケていることを隠そうとする物語

どれも演出家の嶋田ソウが脚本・演出の舞台に関わる物語が描かれているんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『首折り男のための協奏曲』では、異なるジャンルの短編がゆるやかにつながっていく物語が楽しめましたが、

伊坂幸太郎『首折り男のための協奏曲』は理不尽な目にあってもいつかは救われると思える物語
理不尽な目にあうことってありますよね。 そんなとき、どうすることも出来なくて、落ち込んでしまいがちですが、 伊坂幸太郎さんの小説『首折り男のための協奏曲』を読んで、しばらく耐えれば救われるかも!?と思えるようになりました。 ...

この小説でも、ある物語の登場人物が別の物語に登場するなど、ゆるい繋がりが楽しめました。

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感想②:魅力的なキャラクターに惹きこまれる

この物語では、魅力的なキャラクターが多数登場します。

たとえば、あらすじで紹介した康子さんは、澤口が水増し請求をしている証拠が見つけられなかったので、

会社をズル休みして次の日の十二時にJR中野駅南口改札前に変装して集合と松尾に言います。

しかも、待ち合わせ場所に現れた康子さんは女子高生の格好をしており、小学生である澤口の息子を待ち伏せして、丸め込んで通帳を持ち出してきてもらおうというんですよね。

演出家の嶋田ソウは、舞台のためなら何をするかわからない人物で、

女優の千賀稚子がボケていることがわかったときも、オファーを断るどころか目を輝かせて、狂気を感じさせる役をしてもらおうと喜びます。

それだけでなく、嘘だと分かっていても面白そうなら認めたり、舞台を盛り上げるために嘘をついたりと全てを舞台に捧げているような人物です。

坂木司さんの小説『和菓子のアン』では、主人公を取り巻く個性的なキャラクターに惹きつけられましたが、

坂木司『和菓子のアン』は赤毛のアンが好きな人にはたまらない物語
モンゴメリの小説『赤毛のアン』はお好きですか? 私は幼い頃に、テレビアニメでみていましたが、ヤンチャなアンが成長していく姿に惹きつけられた記憶があります。 今回紹介する坂木司さんの小説『和菓子のアン』の主人公は、赤毛のアンとは対...

この小説では、少し尖った登場人物たちの魅力に釘付けになりました。

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感想③:ラストはどの物語も驚かされる

先ほども紹介したように、この小説は5つの短編で構成されていますが、どの物語もラストで驚かされます。

たとえば、息子の浩輝がサッカーがうまい親友ができたというので、慎也くんと仲良くしていると思っていた志帆子が、公開授業でまったく慎也くんと仲良くしていない息子の姿を目の当たりにする物語では、

なぜ浩輝が嘘をついていたのか…が明かされたとき、その理由に驚かされます。

大学生になった奥田が中学生のときに同級生だった伊藤と再会して告白するも、なぜか「奥ちゃんは、私のことをよく知らないから」とフラれる物語でも、

伊藤が「みのり」と呼んで欲しくない理由と告白を断った理由が明かされたとき、「そうきたか!」と思わず唸っていました。

降田天さんの小説『すみれ屋敷の罪人』でもラストで驚ける物語が楽しめましたが、

降田天『すみれ屋敷の罪人』は心にじわっと響くミステリー小説
ミステリーはお好きですか? 私は大好きで、これまで多くのミステリーを読んできましたが、降田天さんの小説『すみれ屋敷の罪人』は心にじわっと響く物語でした。 驚きが味わえるだけでなく、洋館で暮らす名族とその使用人たちの人間関係に心揺...

この小説では驚きが5回も味わえました。

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まとめ

今回は、芦沢央さんの小説『バック・ステージ』のあらすじと感想を紹介してきました。

魅力ある登場人物が織りなす驚きのある物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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