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 35歳という年齢は、第二の人生のスタート地点だといわれています。たとえば、仕事。「転職35歳限界説」が巷でささやかれているように、35歳を過ぎると転職のハードルが大きく上がり、よほど凄い専門性があるか、あるいはマネジャーとしての実績がないと、一般的な日本企業には採用してもらえません。

 結婚だって同じです。独身のまま35歳を迎えた女性の9割以上が一生シングルというデータもあるように、35歳が結婚・出産のリミットだと考えることができるでしょう。

 一方で、35歳を転機に人生が飛躍した著名人も多くいます。『半沢直樹シリーズ』の著者として有名な池井戸潤さんもそのひとり。池井戸さんは、35歳まで銀行員やデータサービス会社を立ち上げるなど、金融関係の仕事をされていましたが、うまくいかず、行き詰っていました。そこで、自分の強み、得意分野を分析。そうして書いた小説『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞することができたのです。このとき池井戸さんは35歳でした。

 他にも、ビートたけしさんやタモリさん、『テルマエ・ロマエ』の作者であるヤマザキマリさんなど、多くの著名人たちが35歳前後で人生の転機を迎えています。

 「三十にして立つ。四十にして惑わず。」と孔子も言っているように、35歳という年齢は、人生における重要な転換期だといえるのかもしれませんね。

 では、この重要な転換期に、以降の人生を豊かにするために、楽しむために「やっておきたいこと」とは何でしょうか。

 35歳を迎えるまでにやっておきたい5つのこと

 明治大学文学部教授であり、作家でもある齋藤孝さんは、著書『35歳のチェックリスト』の中で、35歳までにやっておきたいことをいくつか紹介されています。なかでも、私が以降の人生を楽しむために必要だと思ったのは、次の5つ。

  1. 人間関係の中心を「昔からの友人」に置かない
  2. 「親」以外に信頼できる人をもつ
  3. 「過去の栄光」を引きずらない
  4. 「しがみつく」姿勢ではなく、「ここで生きていく」覚悟を持つ
  5. 「自立心」を持つ

1. 人間関係の中心を「昔からの友人」に置かない

 学生時代の友人や、同じ趣味・嗜好をもつ仲間は気楽で付き合いやすいものですが、30代半ばになっても、このような仲間たちとツルんでばかりいてはいけません。同じような仲間がいれば、現状に対する自己肯定ができ、不安や焦燥感も軽くなるので、現実逃避に陥りやすくなるからです。

 たとえば、30歳を過ぎても結婚していない友人が周りにたくさんいれば、「みんな結婚していないから、私もまだいいか…」という気持ちになりがちですよね。これでは本質的な問題は何も解決しませんし、危機感を鈍らせてしまいます。

 そのため、大人になってから友だちをつくるなら、歳の離れた人、自分とは異なるジャンルで活動する人、発想や環境がまるっきり違う人など、普段なかなか接点のなさそうな人がいいでしょう。異質な価値観に触れることで、30代を過ぎて固執してしまいがちな感覚を広げることができるからです。

2. 「親」以外に信頼できる人をもつ

 いちばん信頼している人が「親」というのは、いまだに親に依存している人だといえるでしょう。大人へと脱皮した30代は、「パートナー」や「上司」などと答えるはずです。

 なぜなら、自分を庇護してくれる存在、一方的に与えてもらう関係性ではなく、お互いのコミュニケーションと絆を結ぶものが「信頼」だからです。つまり、「親が最も信頼できる人」と答えた人は、いまだに自立できていないわけですね。

 そんなことでは、これからの人生を豊かに過ごしていくことなどできません。一日も早く、親以外に信頼できる人を見つけ、その人に対して何か与えられる自分に成長していきましょう。

3. 「過去の栄光」を引きずらない

 卒業した大学が一流大学であったこと、前職が一流企業であったことなどに変なプライドを持っている人もいますが、どんな一流大学も、一流企業も、今所属していないのであれば、もはやブランド価値はありません。

 今現在やるべきことにベストを尽くしていない人に限って、過去の栄光を引き合いに出したがるものです。しかし、どれだけ過去の栄光にしがみついたところで、現実は何も変わりませんし、みっともないだけです。潔く棚卸ししましょう。

4. 「しがみつく」姿勢ではなく、「ここで生きていく」覚悟を持つ

 終身雇用で家族的経営が行われていた時代には、「この人はもはや業績を上げるような働きはしないけれど、長年一生懸命働いてきてくれたし、この人がいることで経験的に教えてもらえる部分もあるから、定年までいてもらいましょう」という発想がありましたが、今は違います。

 その人が明らかに組織内で価値のある存在であり、必要とされる存在でなければ、会社に居続けることは難しいのです。他の決断ができないから、なんとなく居続けているだけの人は、早晩いらなくなるでしょう。

 だからこそ、これからも今の会社でやっていきたいのであれば、「しがみつく」姿勢ではなく、「ここで生きていく」覚悟を持ってやっていく必要があります。すなわち、自分の強みを発揮する必要があるのです。もし、強みがないようであれば、今すぐ死に物狂いで磨いていきましょう。

5. 「自立心」を持つ

 会社員であっても、「自分は一個の事業主」だという覚悟をもちましょう。そうすれば、仕事に対する意識や責任感が変わります。部長や社長がお得意先だと考えれば、自ずと意識の張り巡らし方が違ってきますよね。

 いつかは独立したい、起業したいと考えている人で、今やっている仕事を疎かにする人はいません。なぜなら、実績を出したい、仕事の幅を広げたい、今やっていることがすべて経験になる、無駄なことは何もない、と思っているからです。得られることを精一杯吸収して、今の仕事で地歩を固めて、独立してもやっていける自信をつけたいと考えているからです。

 大事なのは、今いる場所でどれだけ全力が出せるかです。今いる場所で出せないものは、たぶんどこに行っても出せません。やりたい仕事ができる日など永遠にやって来ないでしょう。

 最後に

 私はすでに35歳を過ぎていますが、今回紹介したチェックリストが十分できているとはいえません。いまでも会社に甘え、「自立」した気持ちをもたずに仕事をしているからです。

 最近では、シャープや東芝といった大手電器メーカーに勤めていても、リストラに追いやられる時代です。私のように甘えた気持ちで仕事をしていては、早晩、リストラされることになるでしょう。

 だからこそ、独立した気概をもって、今の仕事で確実に結果を出し、次につなげていきたいと思います。スティーブ・ジョブズも「いま一見無関係に見える点もいずれは自分の人生の中で大きな線でつながることを信じなくてはいけません」といっています。さぁ、目の前の仕事に真剣に取り組んでいきましょう。

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